新しい家
「ここが私の部屋だよ」
裕司さんと別れ、いよいよ優香さんの部屋に案内された。扉を開けて優香さんが、先に入る。続いて私も中にはいった。
「お邪魔します」
そう言うと、
「違うよ。今日からここがリンちゃんの家なんだからただいまだよ」
と言われた。
「ただいまです」
「お帰りなさい」
優香さんは嬉しそうな顔をしている。
部屋に入って少し驚いた。
以外にも部屋が散らかっていた。
散らかっていると言ってもゴミが放置されて衛生的に汚いわけではない。床にものが散乱している。
「散らかっててごめんね」
そう優香さんが、言ってきた。
「大丈夫ですよ」
「先にお風呂入って来ちゃって」
と言われたので、お風呂を頂くことにした。
「出ましたよ」
そうリビングでくつろいでいる優香さんに声をかけた。優香さんが立ち上がりこっちに来てと言われた。寝室に案内された。
「ベットはリンちゃんが使っていいから」
そう言われた。
「優香さんはどこで寝るんですか?」
「ソファで寝るからいいよ」
そう言い、
「じゃあ私お風呂行ってくるから」
と行ってしまった。
どうしようかなと思ってリビングに戻り付いていたテレビをぼうっと見ていた。
「リンちゃん、ここで寝ると風引いちゃうよ」
そう声をかけられ、起きた。私はテレビを見ながら寝てしまっていたのだ。
「優香さん」
「ベットでちゃんと寝ようね」
そう優しく声をかけられた。
そして優香さんに手を引かれ寝室に向かう。
ベットに入ると
「おやすみ」
と言いリビングに行こうとしてしまう。
彼女の寝間着の袖を軽く引っ張る。そして
「一緒に寝たいです」
そう言うと優香さんが、びっくりした様子で固まってしまった。しばらくして
「いいの?」
と聞いてきたので、こくりと頷く。
ちょっと待っててね。そう言って優香さんは押し入れから毛布を出し床に引いた。
なぜそんなことをしたのだろうかと思い聞くと
「私寝相があんまり良くないから落ちたとき用に一応ね」
と言った。あとから考えればわかることなのだが、シングルベットに二人で寝れば狭しい寝返りを打てば落ちるかもしれない。だが、寝ぼけていたのもありそんなことを考えることができなかった。
優香さんが、ベットの中に入ってきた。
そうして私の頭を撫で優しく抱きしめてくれる。なんだかすごく安心した。
「改めて、これからよろくしね」
そう言われたので
「こちらこそよろしくお願いします」
と返すと笑ってくれる。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
寝る前の短い挨拶をし、私は眠りについた。
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