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自覚

 お風呂から上がり、リビングでテレビを見ている優香さんに声をかけたあと部屋戻る。ベッドの上に横になった。長い時間湯船に浸かっていたせいかのぼせたのだろう。なんだか身体がだるいし頭もぼーとする。少ししてシャワーの音が聞こえ始めた。優香さんがお風呂に行ったんだなと思った。私また優香さんのこと考えてる。はぁと小さなため息がでてしまった。ほんとにどうしちゃったんだろう私。と心の底からそう疑問に思った。昨日、いや違う。さっき優香さんに奏さんと優香さんが話している時の表情を指摘されてからだ。そこからおかしくなった気がする。優香さんのことを好きなのかもしれない。そう考えたのがいけなかったのだろうか。何だかネガティブな考えが頭の中でぐるぐるしている。

「ほんとどうしちゃったんだろう」

そう小さく呟いた。

 ベッドの上で休んでいると、時間がたったおかげで身体のだるさがなくなった。それと一緒にネガティブな考えも自然と消えていた。その時、身体が不調だと心までだめになるというのは本当なんだなぁと思った。

 今なら頭もクリアになっていてきちんと考えられる気がした。そして、好きという感情について調べてみようと考えた。もし調べた結果、優香さんのことを好きなんだとわかったらその結果をきちんと受け止めてあげようと思った。

 まず、好きについて調べてみる。好きとは気に入ることや心が惹かれることらしい。仕方がないし当たり前のことなのだが、これは恋愛的な好きとは違う気がする。調べ方を変えてみようと思い今度は恋愛に限定して調べてみた。すると、その人と仲良くなりたい、いつも考えてしまう、もっと知りたい、短所も気にならないなど結構色々と出てくる。なるほどと思いながら沢山のサイトや記事を見ていた。思い当たることもあれば当てはまらないものもある。しかし、当てはまっているもののほうが多いと思う。そっかぁ、やっぱり私は優香さんのこと好きなんだ。そう思うと今まで悩んでいたのは何だったのかというくらい心がスッキリした。自分の気持ちを理解できたのはよかったのだが、それと同時にこの気持ちをどうするべきなのかという問題ができてしまった。優香さんに伝えるべきかそれとも言わずに心の中に仕舞っておくか。どちらのほうがいいのだろうか。言わないほうがいいんだろうか。言われても優香さんが困ってしまうのではないかと思う。しかし、言わなくても今日みたいに顔に出てしまったら心配するのではないかと思う。であれば先に言っておいて少しでも心配をさせないですむかもしれない。一つの問題が解決したらまた新しい問題が出てきてしまった。

コンコンコンと部屋の扉がノックされる。

「リンちゃんもう寝ちゃった?」

と優香さんが声をかけてくる。どうしよう。まだ優香さんと顔を合わせるには、考えもまとまっていないし心の準備もできてない。どうしようか少し考えていると

「寝ちゃったかな」

と優香さんが呟いたのが聞こえた。そして、扉から優香さんの気配が離れていく気がしたので、ベッドから飛び起き扉を開けに行こうとして躓いた。その拍子に棚に肘をぶつけてしまった。ガンッと大きい音がなりその後、棚の上においてあった本がバサバサと音を立てて落ちた。

「大丈夫!?」

と言い優香さんが部屋に入ってきた。

「大丈夫です」

と肘を抑えながら言うと

「肘ぶつけたんだ。痣になってないか確認させて」

と言われたので大人しく見てもらうことにした。少しだけ赤くなっていたが痣にはならなそうだと優香さんは言い、そして本を拾って元の位置に戻してくれている。私はその様子をベッドに座りながら見守っていた。横顔を眺めているとやっぱり綺麗だなと思ったし、優しいなと感じた。本を戻し終わり

「これで大丈夫?」

と聞いてきたので

「ありがとうございます。大丈夫です」

と答えたが気まずい空気になってしまった。

お読みいただきありがとうございます!

ゆっくり更新していきます!

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