日記
日記を見ていると
「何書いてあるの?」
と優香さんが興味津々といった感じで聞いてきた。
「優香さんの苦手な食べ物とかをメモしてますよ」
素直に書いである内容の一部を教えると
「えー、そんなことメモしなくていいんじゃない?」
と言われてしまった。
「だめですよ」
そう答え日記を閉じた。
この日記はまだ数ページしか書いていない。
なぜなら、これは優香さんと一緒に過ごすと決めたときに新しくしたものだ。
書いてあるのはもちろん優香さんのことだらけである。。優香さんとのことならどんな些細なことでも忘れたくない。しかし、私はどうも忘れっぽい。なのて、こうして日記に書いていれば忘れてしまっても思い出せる。だから優香さんに何を言われても書き続けるし、どんな些細なことであってもこの日記に記録を残す。
「それ以外は何が書いてあるの?」
まだ気になっているのだろう。そう聞いてくるので、
「秘密です」
と答えると、えーと抗議の声を上げている。別に隠す必要はないが少し恥ずかしいし普段優香さんはからかってくるのでこのくらいの意地悪は許されるべきだと思う。
日記のはじめのページを開く。優香さんについて初めて知ったことと思ったことが書かれている。
カウンセラーの仕事をしていて人と話すのが好きな人。それと頭を使って考えるのが好き。
表情がコロコロ変わって話していて面白い。
本当にメモ程度でそれだけしか書かれていない。でも私にとっては大事なものだ。
書かれて日もまだほとんど経っていないのに私は懐かしさを感じた。
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