表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/28

スポブラ

 部活でクタクタになったのに歩いて家に帰る。今なら道に落ちた食べ物でも喜んで食べてしまうだろう。


「てか今日の赤星さんの胸見た?」


こんなだったよ、と修一はジェスチャーつきで解説してくる。


「あれはそろそろスポブラし始めるね」


最近のバスケ部のトピックスはスポブラをしているか否かで持ちきりらしい。あの子は巨乳を押さえつけてる、とか、アイツはただの貧乳、とか、今目の前に女子がいたら確実に会話をしてもらえなってしまいそうな危険な話題が、盛り上がってしょうがない。


「だめだめ、赤星さんは晋太郎のものだから」


隣の春人が茶化すように言った。


「だよな。やっぱかわいいよな赤星さん」と晋太郎が言う。


 春人からの返答がない。晋太郎は不思議に思ったので「な」と春人の顔を覗いてみる。


「おいおいおい、どうしちゃったんだよ急に」


「どうって、かわいいだろ。あの子」


「いやいや、いつもは顔真っ赤にしてキレるじゃんか」


そうだったっけ、と頭をかきながら、晋太郎は慌てて照れたふりをする。


「そうだよ。もしかして付き合ってんの?」


春人があまりに心配そうな顔をするので、「違うよ」とはっきり言ってやった。


 春人は赤星さんが好きだったんだ。当時は全く気が付かなかったけど、今なら分かる。


 修一はまだスポブラの話をするつもりらしい。


「じゃあな変態野郎」


と晋太郎は二人から逃げるように家に帰った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ