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自意識不足

「涼しいぃぃぃ」


 PCを触る会社員らしき人と、制服を着た受験生らしき人がこちらを睨んだ。女は周りの目線など気にならないらしい。


 お好きな席へどうぞ、と雑に案内される。できるだけこの女と知り合いに思われないようにしなくては、と晋太郎は女と距離を開けて歩く。


「君さ、さっきから私に冷たい目線を送ってるけど、全部バレてるからね」


「あ、えっと、すいません」


「謝ればいいわけじゃないのよ。ま、タイムスリップするときにもっと大きな声を出すから慣れっこなんだけどね」


「へぇ」と晋太郎は適当に答え、チョコパフェとマンゴーパフェを注文した。


「わかってないね。じゃあ今から実際にやってみよう」


せーの、と急かされ、晋太郎は「わァァァァ」と声を出す。今度は前で文庫本を読んでいた老人がこちらを迷惑そうに見る。


女は晋太郎を「ありえない」と言いたげな表情で見つめた。


「ちょっと、言えって言ったのそっちじゃないですか」


「全っっ然声が小さい」


「てか、あなた言ってませんよね?」


「私は君が声を出せるかテストしてたの」


なんすかテストって、と晋太郎はパフェに手を付ける。ちょこん、と乗ったホイップクリームが甘くておいしい。


「次はこの500倍は出してね。せーの」


「わァァァァ!!!!」


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