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ちょろかったわ、この子
なあ、と修一に腕を掴まれる。
「お前のカプセルくれよ」
「は? 無理に決まってんだろ」
晋太郎は思わず語気を強める。
「そんじゃ、これ広めるから」
修一が再びバックを漁る。学校に持ってきてはいけないはずのスマホだ。新しい機種だと思う。
「ほら」
白崎さんだ。嘘だ。違う。
服を着ていない。嘘だ。違う。
股を開いている。嘘だ。違う。
ピンク色の舌の上には白い液体が乗っている。
嘘だ。違う。
「ちょろかったわ。この子」
現役JCとやり放題だぜ、と修一に似た肉塊が気持ちの悪い笑みを浮かべる。
「殺すぞ」
晋太郎は肉塊に拳を突き立てる。ぐにゃり、と嫌な感触が右手に残る。
「痛えな」
足が、お腹にめりこんでいる。修一に蹴られたらしい。呼吸が弱々しくなる。
「明日持ってこい」
髪を掴まれた。
「わかった」
自分でも驚くくらい小さな声で晋太郎は答える。