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繰り返してる

 ほら、と修一は錠剤のように小さいカプセルを取り出す。


「その反応。やっぱわかってんだね」


修一は、大きく振りかぶる。


「え、ちょっと、待」


晋太郎の言葉を待たずに、ヒュン、と小さい粒が近くのやさい畑へと投げられる。


「それは帰りの、」


晋太郎はリュックを背負い直す修一になんとか声をかけた。


「違うよ」


修一は歩き出す。


「行きのカプセルなんだ。あれ」


晋太郎の理解が追いつかなくなる。


「あれは赤だっただろ。赤は行きだよ。そんでお前が持ってるのが多分青」


確か、ベッドの近くに保管したそれは青だったと思い出す。


「戻れないんだ」 


深刻なことのはずなのに、修一の顔は全くそれを感じさせない。


「どうすんの? 超えたら死ぬらしいよ」


ありえないと思うけど、と晋太郎は明るく努める。


「そう聞かされたけど、死ななかった。またもとの日に戻されるんだよ」


「もとの日っていつだよ?」


「タイムスリップしたその日だよ」


いつも分かれる道を過ぎても、修一は進み続ける。


「ずっと中学2年から卒業までを繰り返してる」


終わらないんだ、と修一は言った。


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