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合唱などダサいの権化だ
「今日の放課後、指揮者と伴奏者のオーディションを音楽室で行います」
30°を超える日なのに長袖を着た担任が、涼しい顔をして言った。
遠くの席で「伴奏は赤星だろ」と話す声が聞こえる。
確か去年の合唱コンクールで、赤星さんのクラスは金賞を取ったはずだ。
「お前指揮者やれば」
やらねぇよ!という答えを見越した春人の質問が来る。目が笑っているからすぐわかる。
「うん。俺今日部活遅れるわ」
バックを持ち、音楽室に向かう晋太郎を春人が怯えた目で見ている。
立候補者などいなかった。運動部が上とされる中学校において、合唱などダサいの権化だ。
昨日は6組のオーディションをやったと音楽の先生は言っていた。指揮者をやりたい、というバスケ部の子は2人目だとも言っていた。
修一? 6組のバスケ部はあいつしかいない。
でもどうして急に? 晋太郎の頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされていく。




