02
嵐の様に三日間は過ぎ、指定の日にちがやってきた
慌ただしい準備については割愛したい、突然自衛隊に活発な動きがみられ、メディアは色めき立ち、官房長官の会見で質問が飛び交うほどの事態となった、ネット上では耳聡い者たちが隣国の情勢がいよいよ弗化点へと達したとか、大規模な活動家への取り締まりだとか憶測が飛び交った、そんな中での三日間だった
練馬駐屯地内の演習場内に浅井と速水の姿はあった、狙撃しやすい地点周囲の影響から鑑みその場所しか無かったからだ、と言うか時間と駐屯地に来る、としか無かったのだ相手の大きさも解らない、社交性に賭け誘導するほかない
「もう直ぐか・・・・」
「・・・・」
「速水君・・・いい加減機嫌直しておくれよ・・・」
速水は完全に機嫌を損ねていた、何の相談も無く、その場に居合わせただけで不可思議生命体との会見の人員として上司間で決まっていたのだ、告知義務も無く決められていた事に速水は完全に腹を立てていた
「・・・お二人とも・・・何時先方が来られるとも解らないんですよ?いい加減にどうにかなりませんか?」
そう言い肩を竦めるこの男は外務省から出向してきた津と言ういささか珍しい苗字の男だった、津は金が入るなら以外に難しい外交シーンでもひょいひょい出てくることで有名な人物だ
「私だって似たようなものなんです、それで矛を収めてくれませんかねぇ?」
ジト目でむくれる部下を必死に諭そうとするおっさん上司を見つつそう呆れたように言う
「津さんは黙っててください、両親に死地に向かうのに何も告げられずこんな場に引きずり出された私の気持ちは解りません」
「メンドクサイですねぇ、速水さん、諦めましょうよ、もうどうにもならんのだから」
「だって!」
その時だった、三人の目前、その先が朧げな蜃気楼のように揺らぎ始める
「・・・来た」
各々の喉が鳴るのが解る、CG抜き作りなしのマジもんの超常現象だ、緊張しない訳が無い
そして・・・それらは現れた