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「いたずらですかね・・・」
速水はあまりの内容に呆れ返った様子でそう切り出した
「流石にこれはなぁ・・・・」
浅井も同様のようで困り果てた顔をする
「あ!そう言えばこの前不審者対策とか仰って部屋内に無駄な監視カメラを自費で取り付けられたでしょう?、あれをご覧になっては?」
「君ね?流石に失礼だよ!、でもそうだね・・・一応動体感知の高いの付けたからね!ほら!ネットの修羅場スレとか見るとさ!何があるか解らないからね!」
「部下を信用なさってください・・・はぁ・・・ほら準備なさって」
酷い部下に促され浅井はPCを立ち上げる
「えーと・・・ああ、出来た出来た」
PCのモニタ内に動画が記録された件数が表示されサムネイルが表示される
「?深夜の3時の動画がある・・・」
サムネイルをクリックし内容を確認するとそこには・・・
「で?」
浅井は実際に映っていた内容を持ち慌てて上役の元にアポを取り付け訪ねていた
「こちらです」
「待った、先ず君は何をしてるのかね?只でさせマスコミに我々は付け狙われてると言うのにウェブカメラなんぞ自室に仕掛けるとは!」
「すいません・・・」
「まぁ、先にこっちか・・・」
「はっ!はい!」
映し出された映像に上役も驚く
「おい、こりゃぁ・・・」
「昨夜の深夜です、まさか本当に映っているとは・・・」
映像にはデスクに羊皮紙を置く手だけが移っている、裂け目の様な物が中空に空きそこから肘から先ほどの手がデスクに羊皮紙を置いている
「まるで特撮の宇宙人みたいだな・・・ゴツイ腕だ」
上役の言う通り確実に人ではない者がそっとデスクに置く様子が移っている、丸みのある腕で黒い甲殻の様な物で覆われており指は鉤爪の様に鋭い
「暴れられたら手が付けられんかもしれんぞ・・・」
「羊皮紙の内容を信じるなら外交を出来る可能性はあります、しかも和名ですよ?」
「ああ、そう言えば・・・」
確かに羊皮紙の末尾日本人の名前と思われる和名が書かれており書簡は流暢な日本語で書かれている
「しかもウイルスを心配し防疫装備の提案をすることでこちらを気遣う様子も見せています、敵意を見せるのは逆に激高される可能性も・・・」
「安全を考えるなら狙撃手、砲手も要るか・・・?」
「駐屯地内で戦争でもなさる気ですか!」
「敵意が無いなら言い訳は立つぞ?」
「・・・マスコミに付け狙われてると言われたのは貴方では?」
「仕方ないだろう、こんな経験など無い!」
「では指定通り防疫装備と狙撃手5、砲手3で?」
「うむ、それと君と速水君だな」
「はっ!!?」
「当たり前だろう指定は君だ」
「がっ・・・外交官を・・・」
「駄目だ」
「そっ・・・そんなぁぁぁぁぁ!!!」
浅井の抗議の絶叫が部屋に響き渡った