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山田くんの逆襲  作者: やゆよ
お知らせ
20/22

日常

この部分から再びあらすじではなく小説になります。

授業が終わり、ホームルームが終わる。

みんなが部活や家に向かう。


山田はそんなみんなを横目に、クラスを出ようとする。


「お!山田くん、今日も図書室?」


「うん。陽乃元ひのもとさんは部活?」


「そう。もうすぐ演奏会あるから、頑張らなきゃ。」


陽乃元は吹奏楽部の部長になった。前期、あんなに窮屈そうにしていた陽乃元は、今じゃ本当に太陽の下にいるかのように、優しく笑いながら山田と田山に手を振った。


「じゃあ、6時に、図書室前で。」


陽乃元は子分二しぶんじに耳打ちする。山田は幸せそうな2人を横目に、教科書を片付ける。かつてゴミが詰められていた机の中は、今ではすっかり整理整頓されている。


山田は図書室に行く。


そこでいつものように1人で勉強を始める。

と、図書室に広印ひろいんが入ってくる。


「山田くん、やっぱりくるの早いね。」


広印は結局好きだった部活をやめた。が、やめてからの方がむしろ生き生きしている。

今は高校でテニス部のエースになる事を目標にしている。テニスの強い高校に行くため、自主トレと受験を頑張ろうと意気込んでいる。


2人が勉強していると、田山が入ってきた。


「よ!山田。もう受験勉強か?真面目かよ。」


「田山くん遅いよ〜。」


「ごめんごめん。掃除あったからさ。」


田山が山田の前に座る。

いつも、自分の前にいるこの人。


この人は、一体、何者なんだろうか。


山田は最近思う。自分は、田山の事を何も知らない。親がおらず、1人で住んでいるということもこの前初めて知った。半ば盗み聞きのような形でだが。というか、中学生でそんなの可能なのだろうか。まだ義務教育中だぞ?と山田はぐるぐる考える。


「山田、どうした?」


田山が笑う。爽やかな、笑顔。


「ううん。なんでもない。」


ーーーーーーーーー


午後6時。山田たちは帰る時間だ。


「じゃあ、また明日!」


校門を出て、広印は山田たちと反対側に歩いて行く。田山は大きく手を振った。

その様子を、子分二は陽乃元を待つ下駄箱から、静かに見ていた。


「じゃあな、田山。」


子分二は心の中で、そう呟いた。

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