ゼルダは優しい
「お父様?!お父様!」ゆさゆさ動かしても、動くことは無かった……ふと、父の腹の部分をみると、ダガーナイフというもので刺されていた。
私はすぐに医者を呼んだが、父は助かることもなく、天国に旅立って行った。
それから数週間がたち、ゼルダが私の家に来た。
「大丈夫か?お前1人だし一応俺の婚約者だし、良かったら俺ん家……」「大丈夫。私は大丈夫だから……」気づいたら泣いていた。彼は目を見開いた。今までにないぐらいに。「来い。」彼は私の手を引っ張った。何度も目を拭っては拭っては零れてくる涙。私はこの時感情を止めることができなかった。いつもなら我慢できたのに、この時だけは本当にダメだった。
すると、ゼルダ様が私をお姫様抱っこして走った。私は泣いていたのであまり覚えていないが、ゼルダ様の顔はいつものふざけた顔ではなく、物凄く真剣な顔だった。
ゼルダ様の家に着くとすんなりと私を家に居候させてくれた。ゼルダ様はすごく真剣だったが、そこには優しさもあった。
私はゼルダ様の意外な一面を知りびっくりした。
とりあえず、そのまま入ったら着替えさせられた。その服はピンクのドレスだった。
お風呂に入ったので、そろそろ寝ようと思い寝所に入るとゼルダ様がいた。
「よ!」「へ?なんでゼルダ様が……」「は?いや、別に深い意味はないけど……夫婦なんだからさぁ……」最後の方はボソボソと呟いていたが私にははっきりと聞こえた。
「まぁいいや。おやすみ。」私がすんなりと寝ると今日の朝以上にゼルダ様は目を見開いた。「?!?!」「冗談なんだけど……」「ほら、入ったら?ここ。」私は隣を指で指す。するとゼルダ様が少し頬を赤らめながら言った。「お、お前がそこまで俺と寝たいというなら寝てやってもいいぞ。」「え?!何ゼルダ様……ヤラシイこと考えてる???」私は半分笑いながら言った。
「なっ!別に考えてねーし!そっちが考えてんじゃねーの!」「あー、はいはい。おやすみなさい。」すると、ゼルダ様はすんなりと私の隣に寝ると小さな声で言った。「おやすみ……」
それから私達は幸せに暮らした。