汎用育成マニュアル
ペットや子供、部下の育成教育の心得を記したマニュアル
生き物を育てる上で重要なのは、価値観を共有する事です。相手が善悪の判断、倫理観、常識などを持っていない前提で接し、正しい事をした時にはすぐ褒め、間違った事をした時にはすぐ叱って正しくはどうするべきだったかを教えましょう。この時、伝える内容は具体的にするとより良いでしょう。
行動は一貫させましょう。同じ内容を褒めたり叱ったりと対応を変えてはいけません。また、自分自身も自分で言った通りに行動しましょう。人によって対応を変えるのも良くありません。育成者同士で方針を一致させましょう。
相手に望む行動を自らも実行しましょう。時間を守ってほしいのなら自分も守りましょう。敬意を持ってもらいたい場合は自分も相手に敬意を払いましょう。
信頼関係が結べないことには正しい学習は期待できません。相手が何か主張したがった時にはきちんと耳を傾け、真面目に内容を検討してあげましょう。真剣な相手には真剣に対応しましょう。主義主張を一貫せず、相手の立場等で翻すのはよろしくありません。この人の判断に従えば間違いない、と思ってもらえるような姿を見せましょう。
自分が間違えたときにもすぐ正しましょう。自分自身の行動を正さずに他者の行動を正せると思ってはいけません。
相手の行動を正すのは、あなたの為にする事ではありません。相手の為にすることです。間違いを間違いと知らず、悪い事を悪い事と知らない事が、本人とその周囲の人間にとって不幸な事だからです。ですから、間違った事をした時は毅然とした態度で正す事も必要な事です。自分は我慢できるから、と我慢をしてはいけません。
相手が常に自分と同じ思考をすることを期待してはいけません。相手にも相手の価値観と思考があり、己の利益の為に動くはずだからです。また、自分が喜ばしいと思う事と相手が喜ばしいと思う事が異なっている可能性を忘れてはいけません。
監督者には被監督者の行動に責任を負う必要が生まれることをお互いに自覚しましょう。相手に監督者を慕う気持ちがあれば、多少なりとも動く前に考えるきっかけになるはずです。逆の結果になる場合もありますが、それは自業自得です。
飴と鞭は正しく使いましょう。飴だけ、鞭だけではいけません。褒めるべき時に褒め、叱るべき時に叱ることが信頼関係に繋がります。褒めたら調子に乗る、などと出し惜しみしてはいけません。普段褒められないからこそ褒められた時に舞い上がってしまうのです。或いは、褒められ足りなければ自信を持って行動できなくなる場合があります。
要求は明確に示しましょう。相手に合わせて適切な指示が出来れば、相手がその通りに出来る可能性が大きくなります。
相手に自主的に動けるようになってほしいなら、最低限必要な事のみ明確に伝え、相手の出した結果が成功であれ失敗であれ一定の評価をしてあげましょう。相手に自分から動こうと思えるようにしてあげられることが第一だからです。まず、相手が自分で動いたことを褒めてあげましょう。結果の評価はその次です。
相手に自分の出した指示に従って欲しいのなら、明確な指示を必要とされる限り全て出しましょう。この人の指示に従えば間違いないという信頼が生まれれば従ってくれるようになるでしょう。但し、己の出した指示に対する責任はきちんと取ってください。信頼関係に関わります。
相手が己より格下と侮ってはいけません。えてして、下の立場の者は上に立つものをよく見ているものです。経験は多少なりと人を成長させますし、何でも最初から完璧にできる人間はそうそういないはずです。己の子供時代、新人時代を思い出して寛容になりましょう。
自主的な行動を望む場合も、指示に従っての行動を望む場合も、相手が迷った時、相談を受け入れる姿勢を見せる事は大切です。相手が致命的な失敗を避けられる可能性が上がりますし、自信を持って行動する為の一助になります。但し、発言には責任を持ちましょう。
どんな相手でも同じ対応で上手くいくということはありません。相手によって適切な対応というものがあります。無暗に他のものと比べたり、他のものの時に上手くいったから今回も上手くいくと思いこんではいけません。
マニュアルに従い過ぎてはいけません。
実際この通りにして何か問題が起こったとしても当方は責任を負いかねます
(ブラックジョーク的な)