新聞との勝敗
イラスト祭で、描く登場人物を募集したところ、まさかの駅員確定。それなのに、案内カウンターを描いてくださるという声が無い。
雨月さんは、最愛(笑)の愉快狂が抜かされるという現状に涙し、そして考えた。「艶文書いて投稿したら、もしかして、もしかして書いてくださる方がいらっしゃるんじゃ・・・!!」
という結果、感想欄で「愉快狂を描こう」作戦が展開された。
大人の艶文である。
果たして、この作戦で何人釣れたのであろうか。
「新聞との勝敗」
夜も明けきらぬ時間。
ふと、煙草の匂いに目を覚ました。
触れ合っていたはずの体温はなく、上半身を起こすと男が椅子に足を組んで座っていた。
気だるげに新聞を持ちつつ煙草を吸う。
いつもオールバックにしている金茶の髪は、少し乱れていて寝起きなのだと気づいた。
「私よりも、新聞?面白いこと、書いてあった?」
ベッドから降り、脱ぎ捨てられていたバラッドのワイシャツだけを羽織る。
「ねぇ・・・」
背中から抱きしめるように一緒に新聞を見る。
楽しいことなど書いてあるようには思えずに、触れ合う頬に感じる無精ひげに、顔を離して耳に口付ける。
・・・反応なし。
前に回り、無理やり新聞をどけてバラッドの膝の上に座る。
案内カウンターに日常座っているだけのように見えるが、やはり傭兵ギルドだからか膝の上に座っても不安定な感じはしない。
膝の上でバラッドを見つめる。
一瞬、物珍しそうにいつものニヤリとした笑みを見せたが、すぐに視線は新聞に戻った。
面白くない。
ボタンを数個はめただけのバラッドのワイシャツに手をかけ、前をはだける。
胸 鎖骨 首筋
口づけ、赤い痕をつけていく。
見えるところに付けようとしたら くつくつ と喉の奥で笑う声が聞こえた。
どうやら、新聞はもうすぐ読み終わるらしい。
結局、今日も勝てなかった・・・。
悔しく思いながらも、続きをしようと首筋に顔を埋めようとすると、顎に手をかけ顔を上げさせられた。
愉快そうな笑み。
いつの間にか、煙草も灰皿に押し付けられていた。
細められた濃い茶色の瞳。
私は不満をぶつけるように、噛み付くように口づけた。
「イラスト祭で、描かれませんか!?」愉快狂アピール作戦。
その成果は?
釣れた人数:19人 ←←←←
釣果: がっつり釣れた。