五話
遅れてすみません。
ではどうぞ。
キンーコーン、カンコーンキンーコーン、カンコーン
チャイムが鳴る。
当たり前だ。ここは学校だからだ
。
今日は俺の初登校日…この街での新たな一歩とは言い過ぎかも知れないが、そのくらいの気持ちだ。
何はともあれ、頑張ろう…。
まずは職員室だな。
廊下
どんな学校でも最初は少なからず迷ってします。
当たり前だ。
案内図も何も持たされていないからだ。
これじゃゲームの主人公がどの方角に進めばいいかわからないくらいだ。
くそ、なんか恥ずいけど人に聞こう。
「すみません、お時間よろしいですか?」
「ん?何?」
事情説明中…
「ありがとう御座いました。」
さてと行きますか。
職員室
「失礼します。今日再編入する一之瀬仁と申しますが…」
なるべく大きな声で言おう。
「ハイハイ、聞こえているよ。ようこそ学園へ。すまないが君の担任は先に教室にいってもらっているから今から僕が案内するよ。」
「わかりました…」
「じゃついてきて早くしないとHR始まるよ。」
教室前
あぁ緊張してきた。
こういう時、ゲームで2周目では強くてNEWコンティニューが出来るけどここは現実で人生は一回しかないんだ。
って俺はなん考えてるんだ!しっかりしろ!!
「じゃ、入ってくれ。」
キター!まぁ流れに任せよう…
「一之瀬仁です。親の仕事によりこの学校に来ました。まだ慣れていない事ばかりですがよろしくお願いします。」
ザワ…ザワ…
成功?失敗?
ネーアノテンコウセイー
ん?
コノマエショウテンガイデカラマレテイタヒトダヨー
な、なんだって!
…って当たり前か…商店街だからな…それは仕方ない。
てか、ラッキーじゃね。話の種が出来たじゃないか。
ソレデネーウチノタンニンノエンドウタスケラレテヤンノww
え?
「もう自己紹介はいいだろ。何かあれば本人に聞いてくれ。それじゃHR終わり。このあと全校集会だから遅れずに行けよ。」
キリツ、キヨツケーレイ。アリガトウゴザイマシタ。チャクセキ。
振り返るとそこにはこの前のおじさんがいた。
体育館
来てそうそう最初に座るのが床か…ついてないな…。
ん?背中を誰かつついてきた。誰だ?
「よ、転校生。」
軽く手をチョップの形にしながら挨拶してきた。
「どうだ、この学校どうだ?お前って部活入る?何部?」
まっありがちと言えばありがちなんだが、ウゼーな。
質問の内容薄いがいいや。
「まだ決めてない…」
「そっか…前の学校ではなんかしてた?」
「別に…何も…」
「そう…あっ俺、平野順平ってんだ。よろしく。」
「俺は一之瀬仁よろしく。」
「さっき聞いた。」
うっせー、確認だよ。
「なぁ早速だけど質問いいか?」
「いいけど?」
「実はさ、さっき女子の話を聞いたがお前絡まれたらしいな。」
いきなりそれかー。
よく見ると・・・オイオイ、後ろの奴まで聞く気満々だぞ…無難に答えよ。
「そうだけど?」
「それでうちの担任の遠藤が助けたんだよな?」
「あぁ、さっき気が付いた…」
「で、どうだった、危ない奴に絡まれた感想は?」
「あまり気持ちの良いものじゃないな。」
「ハハッ、だな。」
なら質問すんな。教師に絞められたらどうする!
「そこの生徒二人!立ちなさい!」
まずっ!!くそっ!!平野…お前…!
すると教師の一人がこっちに向かってきた。
「こっちこい!」
「うわっ!!」
慌てる平野。
お前もだ!!
「……」
黙る俺。
いきなりかよ…強くて引っ張るんじゃねぇ…そこは…アッー!
体育館外
「たくっお前達は…」
「スンマセン」
「……」
「ハア、とりあえず平野。お前は戻れ。いいな?」
「了解です。」
「一之瀬は残れ…少し話がある。」
「わかりました。」
俺は残る事になった。
丁度いいか、サボる事も聞きたい事もあったしな。