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猫と女神の異界骨董市  作者: 猫ノ あずき
第13話 夜中の学校の骨董市
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3.人形

 翔子は猫娘にすがりながら。

「あなた、化猫じゃないの。だったら、お友だち系じゃ」

「なにを言います。私はいわば神のお使いのような者。正反対ですニャ」

 猫娘は震えながらも講義する。


「だったら、神の力でやっつけてよ」

「そんな、攻撃系の霊力などありません。でも、ここはアマテラス様のご加護ある神域、妖が勝手に入ることはできないニャ」」


 ブツブツ言う間も、外から苛立ちの声がする。

「お願い部屋に入れて! 扉をあけて! さむいよ!」

 真夏の夜、寒いはずはない。

 

 さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい。さむい!さむい!さむい!

 

 鼓膜に突き刺さるような、甲高い悲鳴のような声。合わせて、ガラス戸が、ガタガタと鳴り始め、翔子や猫娘は、震えながら耳を押さえていた。


「……猫娘さん……なにこれ、やばいのじゃない! ここに怪しい物は置いてないのでしょ」

「色々と来歴のある物はありますが。その物自体に、霊が宿るとか、不思議な力をもつとか、おとぎ話のような物はないですニャ」」


「でも、何か目的があって来たのでしょ。なにがほしいか聞いてみたら。それを渡して帰ってもらおうよ」

 猫娘はうなずくと、戸口に向かって

「なにか、ほしいものがあるのかニャ! 」

 すると、急に静かになり

 

「……顔」

 

 猫娘と翔子はゾクッとした

「か…顔って……そんなものないニャ」

「ないなんて、ことない。あいつ、私の顔を取った」

「顔を取ったって、どういうこと……もしかして、首を」


「そう、あいつが、私の首をとった! 」


 扉の外の声は、怒りに満ちた声になる。猫娘は冷静に

「あいつって……だれですニャ」

「そこにいるでしょ! 髪の短い女子高生! 」


 翔子は震え上がった

「私が! 」

 すると、外の声は女の声ながら、怒声に変わっていく。

「入れろ! このやろう! 入れないか、そこの女子高生! 」

 さらに、大きく扉が揺らされ、響いてくる。


 猫娘と翔子は抱き合って震えている。

 その刹那!

 

「ギギャーーー! ウギャア! ギエエーーー」

 その声は、悲鳴に変わり、しかもそれは、獣を縊るような、おどろおどろしい断末魔に背すじが凍る。さらに、何度も壁や床を叩くような大きな物音がする 


 しばらくして、声は聞こえなくなり、静かになった。

 そこに、扉が突然開いたあと、扉があいた。

「ニ・ニャーーーー!」

「入ってこないでーー!」


 猫娘と翔子はだきあって顔を伏せた………が

 なにも起こらない。

 恐る恐る振り向いて見上げると、扉に立っているのは


「豚男! 」


 コンビニ袋を手に下げ、もう片方の手には布のような、何かの塊を掴んでいる。

 翔子は闇に立つ豚男の威容な姿に、心臓が止まりそうで震えている。


 一方の猫娘は、胸をなでおろし

「……大丈夫、この男は店員。さっき、近くのコンビニに夜食を買いに行ってもらったニャ」


 豚男は何ごともない表情で、いつもの無愛想で不機嫌そうな豚面だが、今の猫娘と翔子には救世主か白馬の王子様のように思えて、羨望の眼差しで見つめている。


 その豚男が手に持っているのは……首のとれた人形。

 豚男は買い物袋をおくと、なぜか、あの翔子のおもちゃ箱の中を、引っ掻き回して、何かを取り出した。


 それを人形の首の部分に無造作に突き刺す。

「顔って……人形の……」

 翔子はその人形に見覚えがある


「これは、私が小さいころに買ってもらった人形……そういえば、この人形、古臭いし、首をとって壊れたといって、ウソ泣きして、新しいリリカちゃん人形を買ってもらったの」

 猫娘はあきれて


「そんなことするからだニャ 」

「だって……そのときは、出たばかりのリカちゃん人形がほしかったし」

 翔子は申し訳なさそうに言う。


 その後、一息ついた翔子と猫娘は

「さて、この人形、どうするニャ……」


気になるなと思ってただければ、ブックマーク、お星さま(☆)をくださいませ! 

よろしくお願いします!

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