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猫と女神の異界骨董市  作者: 猫ノ あずき
第3話 神々の謀略
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3.囲魏救趙

「孫子の兵法、第二計、囲魏救趙(魏を囲んで趙を救う)です」


「いぎきゅうちょう?」


「はい、かつて中国の趙の国が魏という大国に攻め込まれた時、趙の国は斉という国に助けを求めました。しかし、斉の国も小国、助けに向かっても勝ち目はありません。そこで斉は趙を助けに行くのでなく、手薄になった魏の本国を攻めたのです。魏の軍は慌てて本国を守るため引き返し、逆に趙と斉に挟撃されたのです」


 アマテラスは、猫娘が何を言いたいのかわからず

「それが、今回の状況と、どういう関係なの」


「つまり、圧倒的多数の相手に、まともに当たっては、それこそ犬死です。ここで言いたいのは、劣勢の部隊が講じる手は、相手の弱点を突く、ということですニャ」

「弱点……」


「そう、弱点です……ニヤ」

「そんな弱点があるのですか」

 猫娘は、にやにや笑っています。それは、すでに勝機を確信した策士の表情で


「女神様ですニャ」


「女神?」

「はい。異国には、アテナ、ワルキューレ、シバの女王、弁財天、マリア様など、強い女神様がいると聞いております。さらには、見たものを石に変えるメドゥーサ様や、オズの国の魔女様に助力いただければ、頼もしい戦力です」


「でも、そんな異教徒の女神が結束するのでしょうか」

「友達を作ったり、果ては組織や国が結束する、最も簡単で有効な方法は、何だと思います」

「……贈り物や、話し合い…とか」


 すると、猫娘は睨むようね目つきで、言い放ちます。


「敵です」 


「敵って……」

「いじめに繋がるので、個人では推奨しません。でも、組織や国の喧嘩は容赦なしなので、これで結束を強めることが多いです。全く、なにをしていることやら……」

 アマテラスも複雑な表情で、気が進まないようですが。

「それしかないか……」

「今回は男神が悪いので、懲らしめるためです。割り切りましょう」


 アマテラスは顔を上げて頷くと。

「でも、どうやって女神の結束を図るのですか」


「会議と称してこちらに向かっている男神の本国に残っている女神様に、今回の男神様の思惑を暴露した密書を送り、背後から女神様の軍で攻め込んでもらい、我々の軍と挟撃するのですニャ。この結託した女神さま連合軍で、背後から不意打ちをすれば、相手が男神様と言えども十分に勝機はあります!」

 猫娘の計略に、アマテラスは


「男神が共通の敵、と言うわけね」


 アマテラスが言うと猫娘は頷いて

「ただ、女神様が戦闘態勢を整えるまで、敵の目をこちらにくぎ付けにする必要があります。それにはウズメ様のご協力が……」

 やはり、裸踊りしかないと思ったアメノウズメですが。


「そこまでされなくても結構です、一時的に引き付けてくださればよいのです。というか、思わせぶりな態度をして、女神たちが接近、包囲するのを気づかれないように、時間稼ぎをしていただくだけで結構なのですニャ」


 ふんふんと、アマテラスとアメノウズメは猫娘の策に、うれしそうに涙目でうなずきました。


 いよいよ、G7の会議が始まりました。


 会議のあと高千穂の峰で記念撮影を行い、会場を再変更した天岩戸に移し、宴会が始まりました。

 宴も盛り上がったところで、クライマックスのアメノウズメの登場です。


 あでやかで、薄衣をまとっただけのきわどい姿で、舞台に立つと

「うおー、まってました! 」

「ウズメちゃーーん! 」

 歓声があがります。


 集まった男神たちは、アメノウズメに目が釘付けになります。踊り始めるアメノウズメは、さすが日本最初の踊りの神でもあり、その舞は見事ですが、それ以上に男神達は酒も入り、いつ脱ぐのかと、必死で見入っていました。


 しかも、その酒はヤマタノオロチを退治したときに使った神酒で、神々は、前後不覚に酔い始めています。しかし、アメノウズメは一向に脱ぐ気配はありません。

「早く脱げ!」


 罵声が飛び交い、こらえきれなくなった神が舞台に迫ろうとするのを、豚男達が必死で守っています。

 酔った男神の一部は、お酌をしていた巫女神にも手をだそうとして巫女神は逃げまどい、宴会は収拾がつかなくなってきました。


 …………!


 そのとき、怒り心頭の女神達が自分たちの背後を完全に包囲していることに、男神達は全く気付いていないのでした。


気になるなと思ってただければ、ブックマーク、お星さま(☆)をくださいませ! 

よろしくお願いします!

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