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エッセイとフィクションのはざまで 本と電車

エッセイとフィクションのはざまで 2024

本と電車


その若い子は電車の中で立ったまま

今の時代に珍しく本を読んでいた

珍しい 携帯じゃないのか


カバーはしっかりかかっていて本のタイトルは見えない

ぶふっ


ん?

いま、噴き出した?

肩がちょっと震えニマニマしている

面白いらしい

気になる

何を読んでいるんだろう

そのサイズはマンガだよね?


何人かに見られているのに気付いたのか咳をする

えへん

空咳だ

そしてまた本の世界の中に入っていったのだろう

ニマニマしながらページがめくられていく


電車は止まった

人は去り人が入ってくる

それでも本の世界から帰ってくることはなかった


次の駅で電車が止まる

本はにんまりした顔のまま閉じられた

カバンの中に入っていく


発車の合図と共に現実の世界に戻ってきたようだ

慌てて周りを見て降りて行った

乗り込んできていた人には迷惑だっただろう

あの人が何を読んでいたのか気になった


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