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名誉女性と罵られる日々

 転生して、初日で、二人の婚約者が出来た。

 これで、ノルマを達成だ。


 数日後。

 採精をしに、センターに行った。男子の義務だ。

 男子高校生だ。性欲はたまりにたまっているが、センターは、ぶっ飛んでいた。



「・・申し訳ございません。男性様の担当官はいません。急用が出来てお休みです。ご自分でなさいますか?」

 雑誌を渡された。表紙は男、中味は、男が着飾って、ポーズを取っているのばっかりだ。


「はあ?」


 何でも、あれな割合が多く。

 男の読モがここで、担当官のバイトをしているそうだ。予約待ちらしい。


「女性の方で・・いいです。女性がいいです」


「ヒィ、そうですか?」


 何だか。20代の女性にやってもらった。



「珍しいです。こんなに喜んでもらうなんて・・・」


 これを4ヶ月に一度に行う。


「もし、こなかったら、どうなりますか?」


「はい、税金が取られます・・」


 何だ。地方税かよ。


「・・・量、質ともにS級ですわ!」




 ・・・・・


 翌日、学校に行ったら、同級生から冷たい目で見られていた。


 ヒソヒソヒソ~~~


「上杉、あいつ、名誉女だ」

「売男だ。安売りして、先人たちが努力して、高めた男性の地位を貶める・・」

「女に、媚びて、女尊男卑の社会にしようとしている・・」

「多様性を破壊する」


「はあ?多様性って、俺の考えは、多様性の中に含まれないのか?」


「「「キモッ!」」」


 何だ。対話しようと思うと、『キモッ』でシャッターを下ろされる。

 解せんな。


 それから、

 教科書を隠される。体育の時に、組んでもらえない。

 机に卑猥な落書きをされる。



 しかし、


「「「キャアアアアーーーーー」」」

「上杉君よーーーー」


 と女子にモテモテだ。


 昼休み


 野球部の安子さんに、足を押さえてもらって、腹筋をやる。

 筋トレデートだ。


「ブフェ!上杉君、おへそ、見えているよ!」


「ああ、君に見せているんだよ」


 ボシューーーーと鼻血が出た。


 いいな。キザな台詞を言っても、喜んでもらえる。



 放課後


 瑞穂先輩には、化学室で、勉強を教えてもらう。勉強デートだ。


「男子なのに、勉強頑張るって・・・・すごい・・よ」


「先輩がいるから、頑張れるのですよ」


 ブシューーーーーと、また鼻血を出した。


 チョロインか?



「はあ、はあ、はあ、早く結婚したい・・・よ」



 いきなり、自慰行為を始めそうで、怖いわ。





 ☆


「上杉、進路、就職って、甘いわよ~ん」


 男教師の谷先生に、進路希望調査書を提出したら、開口一番に言われた。


 何だ。この世界でも、大学に進学したり。専門にいって技能を身につけないとヤバいのか?



「しかも、土建関係って何よ!汗臭いじゃないか?」


「はい、好きなので」


 前世は土木関係だった。今やり直すなら、こうすれば良かったとか思うところが多い。

 二人も婚約者がいるから、働かなきゃと単純に思った。


「あのね。お坊ちゃん大学に行って、自分の価値を高めるのが普通よ。結婚して、女の扶養に入るが一般的よ。それか、男子アナになって、有名スポーツ選手と結婚もいいが、あんたじゃ無理よ」


「はあ・・」


「あんたじゃ、年収1000万の女は無理ね。平々凡々のサラリーウーマンと結婚するのがオチよ」


 何だかな。


 クスクスッ


 クラスの男達は、遠巻きに笑っている。


 しかし、


 ダダダダダダ!


 あ、野球部の安子先輩だ。


 ガシッと抱きつかれた。


「上杉君、やったよ。東京レディースのドラフト3位だよ!契約金・・・楽しみにしていてね!」

「おめでとうございます。じゃあ、今度の休み、ごちそうさせて下さい。そうだ。デートしましょう」


 ヨロヨロヨロ~


 と瑞穂先輩もやってきた。


「ヒヒヒ、上杉君、私、医学部の推薦取れたよ。年収1000万円可能だよ」


 ポフッと可愛くと頭を、胸に押しつけられた。


「グスン、グスン」

「頑張りましたね。瑞穂先輩」

 ヨシヨシとなでてあげた。


 その時、3年生たちがやってきた。男の先輩か?二人を追いかけて来たみたいだ。真ん中にいるのは、前世で言えば、チャラ男、この世界では、ギャルの男版か?


「矢田、田川、結婚してやってもいいよ~」


「「鷺君!」」


 何だ。そう言えば、噂で聞いた。校内一の美男子らしい。読者モデルをしていると聞いた。この世界での基準だ。



「「断ります」」


 と二人は即答してくれた。嬉しいが、大丈夫か?


「ああ、その、1年とは、婚約破棄すればいいしー、あーしを怒らせたらどうなるか!分かる~!」


 ギュウと二人は、俺に抱きつき。先輩から目を背ける。


 男合戦を仕掛けられるのか?


 俺は、にらみ返す。


「・・・・フン、覚えておきなさい!」


 と鷺先輩は去り。取り巻きはついて行く。


 その日からだ。寮にまで、嫌がらせをされるようになった。



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