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転生初日、婚約者が二人出来た話

「でさ~、やっぱ、年収1000万以下のメスはカスだよ。カス」

「そうだね。上杉もそう思う?」


「ハハハハ、まあ、俺は、どうかな」



 ・・・俺は、上杉健士、朝起きたら、高校の男子寮で目が覚めた。個室だ。

 異世界に転生していた。ここは、日本だよな。

 極めて、日本に近い世界なのだ。



 記憶はある。寮に引きこもって、テストの日だけ出てきたのだ。

 クラスや席順の記憶もある。男子だけのクラスだ。この高校に一学年5クラスあるが、その内、男子は一クラス、しかも、出席している者は、6人だ。テストの日以外出てこなくても、単位に問題はないみたいだ。



 先生も女の先生が、来るが、


「ギャハハハハハーーー」

「でよ~~~」

「ウケル~~」


「で、この公式は・・・」


 と学級崩壊していても、平気な状態だ。


 しかし、男性学なる授業がある。男の先生だ。

 この時は、皆、真剣だ。


 小太りで、お姉言葉の谷先生だ。


「先の大戦から、男女比が、1対9になりました。男は貴重なの。更に、生物兵器の影響で、男子は、生殖機能が落ちたのよ。馬鹿爆弾ってものよ・・・・」


「男子の義務は、精子の定期的な提供、そうすれば、君たち高校生でも。月11万円もらえるのは知っているわね。女の配偶者は、2人が義務よ。一人10万円支給されるが、同居が義務だから注意ね。

 男は16歳から結婚出来るわ。適当な女を見繕っておいて、3人以降は結婚じゃなくて、お金が必要なときにママ活がおすすめよ。それでお小遣だけもらえれば、あたしなんて、この仕事、義務でやっているだけよ」


「「「は~い」」」




「お、上杉君、久しぶりに出てきたね。無理はしないでいいわよ~ん。テストに名前を書けば、卒業できるわよ」


「は~い。先生」


 うわ。何だろうな。ここは、楽園か?


 と新世界に期待していたが、顔は、前世と同じ、大学まで進学したが、それほど、学業は、記憶に残っていない。30前のサラリーマンだったからな。


 何故、美男子に生まれ変わらなかったのか、神様を恨んでいた・・・

 結婚出来るかな。と心配していた俺がいた。



 ☆☆☆



 キーンコーンカーンコーン!


 そう言えば、部活に入ってなかったんだ。


 何か良い部活はないかなと探していたら・・・


 水飲み場の近くで、一人の女生徒が、イジメ・・・犯罪を受けていた。


 短パン、Tシャツの女性だ。


「くせ~、くせ~な。汗臭いぞ!安子ぉ~」


 バシャ!


 ヒドイ、バケツで女子に水をかけている。


 でも、女は笑顔だ。


「アハハハハ、武田君、ごめんなさい。夏は汗をかくから・・・」

「女はただでさえ臭いから、シャツこまめに代えて、消臭スプレーをかけておけよ。このATMの分際で!」


 たまらず声をかけた。


「大丈夫?ちょっと、君たち、やり過ぎだよ。何?ATMって」


「ああ、お前だれ?ピキーーーー!」

「偽善者!やっちまいなよ」



「おい、ヒステリー、起すなよ!」


 パチン!パチン!


 グルグルパンチを食らわされた。


 周りの女子生徒の反応は。


「男性様の争いよ」

「男性学の先生を呼んできて!」

 女子は、男子の争いに、手を出せないらしい。


「はあ、はあ、はあ、お前、生意気」


 武田という奴は、息切れをして去った。運動をしていないな。


「あ、あの有難う」

「いえ、何もしていませんよ」


 目を背ける。水でブラが透けているからだ。白か・・・


 ・・・話を聞くと、矢田安子さんは、3年生の先輩、ショートヘアーで、日焼けをしている健康美人だ。


 武田という奴は、2年生で、女子は、卒業するまでに、結婚しないと、一生、精子バンクから買わなきゃいけないことになるから、武田と婚約をしてもらおうと、必死にお願いをしていたそうだ。



 いや、ショートパンツで、太ももピチピチじゃないか?

 年上、大好きだ。


「じゃあ、俺と婚約しますか?」

「え?いいの?私、汗臭いよ」

「汗をかいたら、シャワーを浴びれば良いじゃないですか?」


「ウウウウウ、グスン、グスン・・・」


 体育座りをして、泣いちゃったよ。


 ポンポンと背中を叩く。


「私、野球の才能があって・・・。プロにいければ、年収1000万超えて、結婚出来るかなと思っていたけど、・・・でも、プロは難しいかも。それでも、いいの?」


「いいさ。好きな野球続けなよ」



 ・・・・・・・



 また、廊下で、正座をしている女子がいた。

 目の前に、男子が数人、仁王立ちをしている。


 深刻なイジメ・・いや、犯罪だ。


「おい、瑞穂!何これ?俺の誕生日に、最新のシャンネルのバックをプレゼントしてくれるっていったよな。何だ。こりゃ。古いタイプだよな」


「そんな。100万円のもの。買えない・・・よ。これでも25万円したんだ・・・よ。新作でたのは、昨日だから無理だ・・・よ」


「ああ、言い訳するな。俺への愛はそんなものか?婚約しないぞ!」



「そ、そんな・・」

「ヒドーイ!鈴木君はシャンネルの最新、楽しみにしていたんだよー」

「「「ヒドーイ、ヒドーイ」」」



 ネチネチといびっている。


 先生に報告に行こう。

 あ、通りかかった先生の肩を掴む。


「先生、見て見ぬふりですか?」



「ええ、これは、男女間のお付き合いの話だから・・・警察不介入なのよ」

「でも、強要罪ですよ!」


「なら・・その生徒を救ったら、もっと、大変な思いをするのよ。結婚出来なくなったら、貴方責任を取れるの?」


「取ります!」



 と、安易に引き受けを申し出た。


 白衣を制服の上から羽織り。メガネをかけ。ワカメのようなヨレヨレの髪で、不健康そうだけど、知的な雰囲気がある。


 俺の背中に先生が隠れて、声をあげる。


「ええ、我が校始まって以来ですが、男性試合を行います・・・」


 はあ?


「田川瑞穂さん・・をかけて、戦ってもらいます。上杉君からの申し出です」


 決闘か・・・


 女子は口を開けて、あんぐりしている。

 男は、目を見開いて、驚いている。


 どうする?腕に覚えはないぞ。


 ピョン!ピョン!


 俺は、構えて、ピョン!ピョン!飛び跳ねた。ボクシングの真似だ。


「チィ、女は沢山いるから、いいや」

「そうだよ。男のくせに、ボクシングなんかやって、逆張りか?」


 と去って行った。


 あれ、女の意思はないのかよ。と思う暇もなく。


「あの、3年B組の、田川瑞穂・・・です。よろしくお願いします。今、お金は、これだけしかありません・・」


「いらないよ」


「!!!!へ、へ、何が、目的ですか?」


「君だよ」


 とキザっぽく言う。


 ドタン!


 気絶した。先生と一緒に、保健室に運んだ。


 何でも、化学部の先輩で、学業優秀、家庭教師で、お金を稼いで、男に貢いでいたそうだ。

 何だかな。




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