表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ざっくり物理

Standing Wave

作者: ばーでーん

電子は波です!波でお願いします!

電子をギターとするね

もちろん例えだよ

唐突すぎて困らせるけど

ぜひとも電子の波と


君に付き合って欲しい

粒子のことは忘れて


ギターは弦の両端を固定すると

基音と倍音しか出ない

電子の存在確率を遠くでゼロに固定すると

限られた周波数しか波が立たない



電子をギターとするね

もちろん例えだよ

弦の振動で電子の波動

比喩する魂胆さ


君に思い出して欲しい

粒子のことは忘れて


ギターの波は弦を揺らす振動波

(ふし)二節の一次元

電子は遠方へも 角度方向にも

一節二節の三次元の波



ギターが基音の音を奏でるように

電子は周波数の低い波動となる



電子をギターとするね

もちろん例えだよ

弦と電子の波動の変化

比喩する魂胆さ


君に思い描いて欲しい

粒子のことは忘れて


ギターはハーモニクス奏法で

倍音を奏でることできる

電子に倍音を奏でさせる方法は

白色の光を電子に照射する



ギターは倍音の節になる場所に

軽く指添え倍音をえる

電子は基音と倍音の差に等しい

単色の周波数の光を吸収し倍音をえる



電子を波動とするね

こんどはガチだよ

電子の基音が倍音になる

光の吸収の話さ


君に機会があれば観て欲しい

ギターのことは忘れて


アルミナの中のCr(クロム)イオンにいる電子は

黄と緑を強く吸収して 赤は透過

アルミナの中のFe()Ti(チタン)イオンにいる電子は

赤と橙を強く吸収して 青は透過



透明なアルミナに

Crを添加してルビーを

FeとTiを添加してサファイアをえる


宝石じゃなくても

大抵の物質の色は

物質の電子の基音と倍音で色が決まる



注1: 弦の倍音の周波数は基音の整数倍です。

  本作の便宜上、電子の倍音と呼びましたが、

  電子では、周波数の整数倍ではありません。

  基音よりも倍音が周波数が高いという以外に

一般的な規則はありません。

  量子力学では、基音を基底状態、倍音を励起状態

  とよびます。

注2: 大抵の物質の色は、量子力学における

電子の波の周波数の不連続性によります。

特に基底状態と一番周波数の低い励起状態の差が

物質によって異なることが色の違いとして

あらわれます。色とは量子力学そのものと

言っても差し支えありません。

注3: ルビー、サファイア、その他の物質の色は

数値計算で算出できます。電子が沢山あるので

粗い近似解法のため、正確な色までは困難ですが

赤っぽいか青っぽいかくらいは予測できます。

どういう場合に周波数が高いかなどは、

有機物、酸化物、発光を伴うか吸収、反射、透過

かによって仕組みが異なります。

ここには描ききれませんでした。

注4: 周波数×プランク定数(量子力学特有の定数)が

電子や光子のエネルギーになります。

注5: 物質の色の違いとして作中で宝石を例示したのは

カッコつけたかったからです。

どんな物質でも、例えば、

銅の赤サビと青サビの違いでもよかったのです。

注6: 確率の波動の総和は粒子の数として計算します。

波動に粒子性は取り入れてあります。

注7: 色彩は網膜の光の信号を脳で処理することで

決まります。色彩には多少の個人差があります。

注8: 作中のギターの弦は、超弦理論とは

関係ありません。

超弦理論では、素粒子を弦と仮定しますので、

別の概念が、ギターによる比喩の対象になる

と思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 波が 前半は音 後半は色 に変わっていく様が綺麗ですよね。 繰り返されるフレーズが 耳に残って それもいいな、と思いました。 素敵な作品ありがとうございます
[良い点] 「ここで最新の作中のギターの弦は超弦理論とは 関係ありません。超弦理論では素粒子を弦と仮定しますので、別の概念がギターによる比喩の対象になると思います。」まさかここで、最新の超弦理論の説明…
[良い点] 電子をギターに見立てた前半と、それをベースにして物理学的な説明をする後半という流れが印象的です。 宝石をはじめとした物質の色が、基音と倍音で決まる、というところがとても勉強になりました。あ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ