5人目
その日聖人が死んだ。
彼女はただの孤児であった。
しかし彼女は恵まれていた。
孤児院ではなく神殿付きの孤児院に入ることになった。
ただの孤児院は生活をするだけであったが、神殿付きの孤児院は将来神殿で働くために教育が施される場所であった。
その教育は大変厳しいものであった。
しかし、彼女は救ってくれた恩を忘れず、一生懸命学んだ。
この世界は魔物とは無縁であった。
しかし、人たち同士の戦いや、病気などが蔓延するような世界であった。
そんな世界だから、彼女の国も戦争に巻き込まれた。
彼女は看護をするために戦の場におもむき、治療をしていった。
一般の兵士や軍が教える治療はその場しのぎでよく悪くなるものであった。
しかし、神殿では正しく良い方法が教えられており、彼女はそれを実践した。
彼女の国は負けることはなかった。
しかし、それでも甚大な被害を出したことには間違いがなかった。
国から彼女に功績をたたえられ褒賞が渡された。
彼女はそれを望まなかった。
褒賞をすべて使い、戦争孤児や、病院、医療の発展に貢献した。
それを自国だけでなく、他国にも伝え広げていった。
彼女は晩年こういった。
「私がしたことは正しいことであったのか、戦争で傷ついたものを治すのは正しいことだが、それの原因を創ったのはまた自分たちである」と。
「この広げた医療が戦争で使われないでいいような世界を私は望んでいる」と。
彼女の功績は人々を豊かにするものであった。
しかし、戦争を長引かせるものでもあった。
その日、平和を望み続け、平和への時間を遠ざけた聖人として死んだ。
故人:聖人テレジア
聖名テレジア・グレアス・ミレーシャ
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またの別の英雄でお会いしましょう。