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驚きの連続


 腹が立つほどこいつのファッションのダメ出しは適切でためになった。私は結局、店員さんに相談したはずのトータルコーディネートの3着を、吉井君に言われるがまま、白のビックシルエットのシャツワンピース、黒のスキニージーンズ、赤のセーターのロングワンピース、黒のロングカーディガン、ビックシルエットのグレーのトレーナーとピンクのミニスカートを買ってしまった。たくさん買ったので、ノベルティとして紫色のニット帽がついてきた。でもこれでだいぶ着回しがきくぞ。今までの服は小学生から着ているものなので、ほとんど処分になるな。高1で小学生の服はかなりやばい。会計を済ませると自然に袋を持ってくれる。


「ねえ、もう1軒だけいい?」


「春の為ならいくらでも付き合うよ」


 吉井君ってこんなひとなの?もっとピュアで可愛い感じだったような?

 次に入ったところで靴と鞄を買う。黒のスニーカーと黒のショートブーツ、サイドゴアというらしい。黒で足長効果をだすらしい。鞄は普通に黒の大きいリュックにした。通学鞄だし。皆、リュック持ってるし何より楽だし!もうひとつ吉井君が小ぶりの白のショルダーバッグを選んでくれたのでそれも購入してしまった。


「ありがとう。結局、全部持ってくれて。」


「大丈夫だ。そろそろ帰ろうか。」


「うん。」


 家までの数十分吉井君からの質問攻めにあった。


「春は食べ物だと何が好きなんだ?」


「うーん。別に何でも。しいていうならチョコが好き。」


「好きな教科は?」


「国語と英語。」


「じゃあ文系か。俺と一緒だ。」


「そうなんだ。」


「じゃあ嫌いな教科は?」


「音楽、体育」


「じゃあ風呂で体はどこから洗う?」


「えっと頭洗った後、首から。」


「夜は何着て寝てる?」


「今は中学のジャージ、合宿の前には何か買いたいと思ってる。」


「それも一緒に行こう。どんな男が好きなんだ?」


「無理!賢くて優しくて物静かな人。」


「おいおい、俺じゃないか。」


「中学の時ならそう。今は違うね。」


「お前中々言うな。」


「そう?あっ家だ。家に着いたぞ。」


 やっと着いたぞ!やったー。早く帰りたい。


「ああ、もう家に着いたか。なんだかあっという間だったな。また明日な。」


「うん。じゃあ。」


 家の前で別れた後、私は自分の部屋に行き、戦利品を眺めていた。吉井君が考えて選んでくれたものはどれも私にぴったりだった。今日、久しぶりにあったのに気持ち悪い。吉井君に対する負の感情が少し無くなっているように感じた。もうちょっとだけちゃんと向き合おうと決意した。


「春?お母さんだけど?」


 お母さんが扉の向こうから話しかけてくる。


「うん。どうしたの開いてるよ?」


「ごめんなさいね。男の子友達なんて初めてではしゃいじゃって。」


「いいよ。お母さん大丈夫。」


「じゃあ1つだけ言わせて。今まで言わなかったけどさすがに小学生から同じ服を着てるのは恥ずかしかった。だから服とか買ってくれて本当に良かった。」


 それだけ言ってそそくさと行ってしまった。親が恥ずかしいって思う格好って本当にやばくない?やっぱり服は買おう。お母さんにもついてきてもらおう。まだお金は残っているし…。


 この頃、色々あったな菅野さんに話を聞いてほしいな。



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