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春を迎える


 浩介とお茶をしてても菅野君が気になって何も味がしない。


「なあ春。菅野探せば?」


「えっ?」


「気になるんだろ?多分いるよ。あいつここでバイトしてるんだよ。」


「そう。でも。」


「そろそろ本人に聞けよ。ずっと勘違いしたままかもしれないぞ。ほら行け!」


「分かった!」


 カフェを飛び出し走った。でもすぐに後悔した。どこでバイトしてるか聞けば良かった。でも会えた。すぐに。


「片岡どうした?」


「はぁ、あの、はぁ。」


「まあ落ち着いて。息を整えれば。」


「あの話があるの。」


「ああ。今ちょうどバイト終わったから。」


「じゃあ公園に行こう。」


 公園は外を出てすぐのところだ。着いた途端叫んだ。


「私、菅野君が嫌い!いつもいつも私をかき乱して!」


「急になんだよ。びっくりした。」


「どうして嫌な事をしたあと、好きになっちゃうような事をするの?田中さんと付き合ってるくせに。どうして嫌な気持ちにされるのにこんなに好きなの?」


「まず田中とは付き合ってない!何度言えば分かるんだよ。」


「嘘!テスト合宿の時図書室で!」


「田中は深田が好きで俺に協力させたんだ。それだけだよ。僕は片岡が好きだ。入学した時からずっと。」


「入学した時から?じゃあ見ていたのは田中さんじゃなくて。」


 私?


「片岡だよ!」


「わかりにくい。」


「いや、分かりやすいだろ!多分、吉井は僕が好きだと分かってたよ!」


「えっ浩介が?」


「ああ。とにかく付き合って!」


「はい!」


 なんだかえらく遠回りをしたようだ。


 次の日、夢ちゃんに言うと、


「やっぱり!だって菅野ずっと春ちゃん見てたし!」


 と言ってて分かってたなら言ってと思ったけど、


「春ちゃんは自分で見たものを信じると思ったんだ!だから言わなかった!」


 と笑顔で言って次の授業の用意を始めている。夢ちゃんって本当に可愛いな。悔しい全然恨めない。菅野さんにも伝えたかったけどぱったり会わなくなった。



 でもすぐに分かる事になった。鏡を見て思う。


「駿!ちょっと来てー。」


「春、どうしたんだ?」


「生まれるかも!」


「えっ!じゃあうちの両親と片岡の方の両親に電話しないと!」


「いや!生まれる!」


「待て!春!病院に行くぞ!」


 春、私色んな事を乗り越えてお母さんになるんだよ、信じられないでしょう。だから頑張れ。頑張れ春。



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