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まだ3日目もう帰りたい


 今日もあまり眠れず6時前に目が覚めた。セーターのワンピースを着て終わり。楽ちんだ。髪もなにもしない。今日は夜ご飯を食べたら寝よう。

 今日の勉強部屋の1番のりも私だ。今日は英語をしよう。朝ご飯を食べた後貸し出しのCDプレーヤーを借りて英語を聞きながら勉強しようかな。朝ご飯までの時間、誰も来なかった。

 食堂で朝ご飯を食べていると、田中さんが隣に座った。


「おはよう。片岡さん。」


「おはよう。田中さん。」


「昨日はありがとうね。」


「ううん。こちらこそ。」


「また、話聞いてね。」


「うん。」


「じゃあ私行くね。」


 田中さんは立ち上がり、女子の輪に戻った。皆と一緒じゃないと怖い気持ちは、私にもない訳じゃないけど、私には一緒にいる苦痛の方が勝ってしまう時があるんだよな。

 英語の先生の部屋に行く。先生は2人で談笑しているようだ。話を中断しCDプレーヤーを貸してくれた。私が部屋から出るとまた話し始める。仲がいいなあの2人。男性のライティングの先生とネイティブの女性の先生だ。ずっと英語で会話している。まさか付き合っている?いや盗み聞きはやめよう。

 勉強部屋には人がまばらで部屋で休んでいる人も多いらしい。段々だらけてくるよね。半分程しか人がいない。私は自分のイヤホンをさしCDを聞く。英語がただ流れ続ける。英作文を作り続けよう。

 机にサンドイッチとオレンジジュースが置かれる。さっき部屋を見回した時、誰もいなかったしこの組み合わせということは。


「浩介ありがとう。」


 笑顔で顔をあげると菅野君がそこにいた。その瞬間、真顔になる。


「吉井には笑いかけるけど、僕には笑わないってこと?」


「いや。そうじゃないけど。ありがとう。」


「随分、仲がいいんだね。吉井と。」


「菅野君だって。」


 田中さんと仲いいじゃない。


「なんだよ?」


「ううん。別に何もない。」


「まあ、これ食べれば?」


「ありがとう。いただきます。」


 菅野君は黙って私が食べるのを見ている。とて食べ辛い。


「片岡は本当に可愛くなったね。」


 私はびっくりしてむせてしまう。前に顔は見せない方が良いって言ったくせに。


「大丈夫か?片岡は割と分かりやすいよね。とても顔に出る。」


「そうかな?なんか恥ずかしいからやめて。」


「ああ、分かりやすいよ。」


 そういって近付いてくる。私は立ち上がり距離をとる。それでも私を壁側に追いつめてくる。私の背中に壁がついたとき菅野君が私の顔の横に腕を置くそのまま顔を近付け耳元で囁く。


「ねえ。今、本気でやめてほしいと思ってるでしょ。また警戒せずに男と二人きりになったね。このまま僕が男だって分からせてあげようか?」


 がらっとドアが開いて菅野君の気がそれた瞬間私は反対のドアから逃げ出した。走って走って、この建物の図書室まで行く。ここには誰もいない。私は胸を押さえながら呼吸を整える。大丈夫、この胸のドキドキは走ったから。夜ご飯まで後1時間ほどだ。ここで本でも読んで待とう。

 英語の本は勉強に役に立った。ちょうど範囲の文章が載っていたし。さあご飯を食べに行こうか。食堂に向かうと夜ご飯はタラコスパゲッティかカルボナーラのどちらかを選ぶようで、皆フォークを握っている。うんカルボナーラにしよう。今日はもうこのまま寝るし、さっと食べてさっと寝てしまおう。私はまた端の席に座って食べ始めた。うちのクラスは比較的仲が良くいつも女子は集まって食べている。その輪に入らない私をはずしたりしないところをみると、優しい人たちの集まりだと思う。

 食べ終えたので立ち上がり寝る部屋に戻る。パジャマに着替えて寝る準備をしていると、クラスの女子の集まりが解散したのか同室のメンバーが戻ってきた。


「片岡さんのパジャマ姿初めて見た!」


「今日はもう寝ようと思って。」


「片岡さんものすごく勉強してるもんね。」


「そうかな?」


「うん。じゃあ今日はちょっと話そうよ。皆で。」


 しまった。これが辛くて1人でいるのに。仕方なく皆が寝るまでずっと話を聞いていた。笑顔で頷く、びっくりした顔で驚く。相手を傷付けないように話を聞くことはなんて辛いんだろう。私は眠りながらそんなことを考えていた。人間に向いていないのかもしれない。



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