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学校での出来事


「片岡さん!彼氏いる?」


 今は高校1年生の5月だ。同じクラスになって初めて話しかけてくれたと思ったら。なんだこの人。


「いや、いないけど。」


「あのねうちのクラス女子全員恋人がいるのね!それで皆幸せなの!だから片岡さんも幸せになってほしいなって!」


 えっなんだかついていけない。一緒にトイレに行くとかと一緒のやつ?同調?


「片岡さん好きな人っている?ていうか春ちゃんって呼ぶね!」


 先ほどから昼休みになった途端話しかけてきた子は高野夢ちゃんだ。こんなに人が周りにいるのに言う?まあいないけど。


「高野さん私今好きな人はいないよ。」


「そっかー残念。ていうか私、夢ね!じゃあ女子全員は諦めるね!」


 よかった案外いい人だ。


「えっと夢ちゃんごめんね。せっかく応援してくれようとしたのに。」


「ううん、だって無理にくっつけたら幸せじゃないもん!また好きな人ができたら言ってね。」


 じゃあねと言って高野さんは教室から出て行った。


 私はほっと安堵しまた1人で昼食をとりはじめた。別にいじめられているわけでもない。このクラスの女子は優しい人ばかりで2人組になっても余ったことは1度もないのだから。それでも1人なのは、単に楽だからの一言に尽きる。


 恋人ね。今は考えられない。中学の時あの教室であったこと。


「さあ席につけー!授業始めるぞー。」


 午後の授業は最初は数学、その後世界史で終わりだ。私はしっかりと勉強して1人で生きて行くのだ


 そうして時は過ぎていった。帰りは図書館に寄って帰る。学校の図書室はなんとなく気が引けて行くことはほとんどない。私やっぱり学校が嫌いなのかも。そう考えながら歩いていると公園の前で軽く人にぶつかってしまった。


「すみません。」


 そう言ってぶつかった人を見ると妊婦さんだ少しだけお腹が膨らんでいる。


「ごめんね。大丈夫?」


「はい。私は大丈夫です。お姉さんは?」


「ええ、大丈夫よ。ねえ少しだけお話ししない?」


「えっ私とですか?」


「あのね結婚してこっちに戻ってきたんだけど。友達は皆働いてて親と旦那以外、全然話す人がいないの。だめ?」


「少しならいいですよ!」


「私、片岡です。」


「私は菅野です。ごめんね付き合わせて。」


 私たちは公園のベンチに座った。途中の自販機で菅野さんは飲み物を買ってくれた。最初は、少し不審な人なのかと思ったけど。このお姉さん、私と物凄く話があうのだ。好きなものも、本も映画も全て一緒で、あっという間に時間が過ぎてしまった。


「うわーごめんね。結構時間遅くなったね!私はこの辺りを散歩してるからまた会うかもね!その時はまた話そうね!」


「はい!菅野さん!」


 そして別れた。私も親以外で話すのは久しぶりだった。


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