第3話
若干・・・まあ若干というレベルであろう程度に主人公のキャラがぶれている件について謝罪します。しばらくの間キャラブレが続くかもしれませんが主人公のキャラがきっちりと定まるまで末永く見守ってやってください
2018/02/13 文章の一部を修正 大筋に関係なし
「こちらがリュウジ様のお部屋となっております」
うぉっ、スッゴイな。謁見の間から案内された部屋までは、5分くらいの距離だった。これ多分王族とかそれに準ずるぐらいの客人を案内するための部屋じゃないのか? まあむこうさんが案内してくれたんだから構わないけど。
その部屋というよりもなんか高級マンションの一部屋みたいな感じだな。部屋が何個もあってリビングや寝室、バスルームといった設備がそろっている。こんな部屋で過ごせるなら死んでもいいかもとすら思えてくるレベルだ。
内装に驚くのはこのくらいにして、まずはこの部屋にどの程度の期間居られるのかだな。
「あの、この部屋にはどれぐらいの期間居られるんでしょうか? この世界について学ぶ間とは聞きましたが・・・」
「はいそちらについては一週間となっております」
「そうですか・・・1週間ですか・・・・・・・・・って1週間!?」
「はい、その間に私共が責任をもってリュウジ様に手取り足取り教えて差し上げます」
1週間は短いけどメイドさんに手取り足取り・・・ってこの流れはさっきもやったな。それにしてもメイドさんは喋り方や声が似ていて、さらに俺をからかって遊んでいるのか2人とも同時に同じように口を動かすからどっちが喋ってるのか普通に分からない。因みにメイドさんの容姿だが、片方は茶髪ポニーテールの貧乳メイドさん、もう片方は茶髪を三つ編みにし、前に垂らしている巨乳メイドさん。区別はしやすいな、うん!
っと俺の考えていることが分かったのか一瞬貧乳さんに睨まれた。
「お名前を教えてもらってもいいでしょうか?」
「私がアリア、こちらが妹のマリアです」
ふむ、貧乳さんがお姉さんのアリアさんで、巨乳さんが妹のマリアさんか、よし、覚えた! とは言ってもあと1週間ほどの付き合いなんだが・・・
おっと・・・また貧ny・・・じゃなくてアリアさんに睨まれた。どうして俺の考えていることが分かるんだ? 異世界のメイドさんは読心術をもっていました、流石メイドさんってか?
くだらない思考はこの辺にしておいて貴重な時間を大切にしないとな。
「あの、じゃあ今から教えてもらってもいいですか?」
「分かりました。それでは最初は質問に答えるという形で進めさせていただきます。ある程度質問が終わった時点で、授業を始めます」
そうして分かっていたことだが手も足も取ってもらえないままメイドさんによる授業が始まった。
メイドさんによると今いるこのドラゴステッド王国はパラド大陸の最西端にあるらしい。パラド大陸は東西に広がっている楕円形っぽい形をしているそうだ。西からドラゴステッド王国、エルシュ王国、クラウソル神聖国、ウィルクーネ王国、マリド共和国、フェーリクルト帝国という順に並んでいる。
そして魔王の住む魔王領はフェーリクルト帝国の北東部に存在する。もともと別の大陸だった魔王領が、10年前に原因は不明(といってもおそらく魔王の影響と考えられている)だが、このパラド大陸と1つになったことによって人類滅亡の危機に至っている。
それまでも魔物の脅威は存在したが、魔王領と繋がることによって魔物の強さが平均して5倍ほどになっているそうだ。魔王領から離れているここではそこまで大きな影響は起きていないが、最強と名高いフェーリクルト帝国の騎士団がすでにほとんど壊滅状態。冒険者もそのほとんどが最前線へと向かっており、それ以外の地域で魔物に対する戦力が常に不足気味だそうだ。まあ、つまりは東の方は危険だからあまり近づくなってことか。
「今日はここまでにいたしましょう。夕食はこの部屋かそれとも食堂どちらでお召し上がりになりますか?」
どちらにするかな・・・マナーとかよく分からないし、十中八九あの面子と一緒に食べることになるよな・・・それは勘弁だ。
「この部屋でお願いします」
「分かりました。それでは10分ほどお待ちください」
アリアさんは言葉通り十分ほどで戻ってきた。俺はマリアさんと二人っきりという空気に耐えきれずに寝室のベッドでポヨンポヨンと跳ねていた。そう跳ねていたのだ・・・まるでトランポリンかのように。正直一緒城で暮らすという選択肢でもよかったのではないかという考えが頭の七割ぐらいを占めていた。もしアリアさんが戻ってくるのが後5分遅かったら、シャルロッテに土下座をして頼み込んでいたかもしれない。
因みに夕食はなんか高そうな肉のステーキと、なんか旨かった野菜スープに、フワフワのパン、あとはワインだった。
この世界での成人は15歳らしく酒を飲んでも問題ないらしい。ワインを飲んだのは初めてだったけれども正直そこまで旨いものではなかった。
料理の具についてだが、聞いても分からないのは分かりきっていたのでそもそも質問すらしなかった。若干アリアさんが詰まらなそうな顔をしていたが見なかったことにした。
それからメイドを呼ぶためのベルを渡された俺は風呂に入り、トランポリンベッドで眠りについた。
こうして俺の異世界生活1日目は終了した。