068話 目覚めました
4-4.目覚めました
ぺちぺち
あー、ニャロ助~。やめろよぉ。
ぺちぺちぺちぺち
今日は休みなんだってばさ~。ご飯は母さんに頼めよ~。
つんつん
ほ~ら、よしよし。あれぇ?何処だ、ニャロ助~?
つんつんつんつん
OH!そこはダメだってばさ~。分かったよ、起きればいいんだろぉ?
何やら可愛い攻撃を受けている俺は、ゆっくりと瞼を開いて目を覚ます。
「・・・んあ?」
知らない天井だ。
あり?この名言って著作権とか大丈夫?大丈夫だよね?俺、つい言っちゃったけど平気だよな?どうなの、○野さん。俺、金ないよ?どうか著作権で訴えないで下さいね。
俺は罰金の事を考えていたが、ここは乙女ゲームの世界なので大丈夫かと結論を出す。異世界にまで訴えには来ないだろう。
そんな俺に、精霊達が心配そうな顔で覗いてきた。
あぁ、心配掛けたみたいだな。すんません、俺はもう大丈夫ッスよ。
俺は心配している精霊達に笑顔を向ける。本当は撫でたいんだが、俺からは精霊達に触れないから仕方がない。
精霊達にも、だいぶ迷惑をかけちまったな。ごめんな、みんな。
風の精霊達には怖がられちまったかな?あ、もう平気なの?良かった。
樹の精霊達は心配で泣いてくれてたな、ありがとな。そんで、ごめんな。怒りを抑えるのが無理だったんだよ。ホント、ごめん。
土の精霊達は・・・あの状況で良く寝てたね。何か見当たらないなぁと思ったら、マイペースに寝てるんだもんよ。大変だったんッスよ?あの時。
・・俺はどれくらい寝てたのかな?今、何時?それに、ここは何処だ?そして何よりもお腹空いた。何か食べたい。
俺はベットから降りようかと思ったが、異常を感知した。
あ、あれ?体が動かない。ま、まさかコレが噂の金縛り____
「・・・・くかーー・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・タジル?
落ち着け、俺。状況を・・そう状況を確かめるのが先決だ。・・・・よし!
此処は知らない場所。さっきと同じだ。・・・・よし!
そんでベットに俺は寝ている。俺が憶えているのは大通りで意識を失ってから。・・・・よし!
そんでそんで俺の横にはタジルが俺に抱き着いて寝ている。・・・エラー発生!エラー発生!隊員退避!隊員退避!
ミネル超絶秘奥義『枕と身代りの術』
な、なに!?何故だ!?抜け出せないだと!?くっ、タジルめ。腕を上げおったな。
ならば、シグマさんのマネマネ『無心術』!
・・・・この状況でか?それに無心って何だっけ?考えないようにすればいいのん?でも考えを無くすのにどうすればいいのか考える訳でそれは考える事をしているので無心にはなっていないからまたどうすればいいか考えるんだけど考えたらダメなんだからそれさえも考えてはだめなんだよな?なら、えーと・・・。
お、俺には無理だ。シグマさん、凄い人だったのね。ただの自殺志願者のイメージしかなかったよ。
仕方ない、このまま違う事でも考えよう。
えーと、まずはこの場所。・・・知らないな。しかし、このベット。まるでお姫様ベットみたいだ。天蓋・・だっけ?白レースが垂れていなくて良かった。それでは、お姫様みたいだし。
あとは壁に掛かっている絵画。あんな大きな絵画を持っているのって貴族じゃね?それにタジルが居るって事はだ。
可能性的にはクリスさんかジルさんの家かな?二人とも貴族に関係しているし。んで、もしかしたらロイドさんの家ってのも考えられる。ヴァンさんが貴族なんだから、実はロイドさんも的な?
まぁ、それよりも考えなければならない事がある。
俺は、消滅魔法を使ってしまった。もしかしたら「・・・ぐがー・・・」人が死んでいるかもしれないのに。
一人の男の子が殺された。その事でブチ切れる俺。それは、「・・・ぬへへへ・・・」これからも?
ダメだ。あんな事、してはダメ。この世界は魔王軍が人々を苦しめる世界。似たような「・・・みにぇる~・・・」事がこれからも起きるかもしれないのだから。
それに大聖堂にあった聖剣も気掛かりだ。無事かどうかを「・・・デヘヘ・・・」調べに行かないと。
俺はもっと強くならないとな。精神的「・・・くかー・・」にも、肉体的にも。死なずに「・・・ぐごー・・・」・・・・
「・・・うっさい」
「んがっ!?」