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006話 冒険者


 1-6.冒険者




 「今のは、樹属性での成長魔法では無いよな?その程度の魔法ではなかったし。もしかして、光属性か?」


 男の声から、楽しそうに笑う雰囲気を感じる。何か面白いものを見つけたような感じだ。


 俺に声を掛けてきたという事は誘拐犯の仲間では無いだろう。悪い連中の仲間なら、声なんか掛けずに襲って来るだろうし。


 でも、見られた。俺が光属性を使える事がバレたら少し面倒な事になりそう。一応、世間では珍しい属性となっているから。へたをしたら教会へと強制連行される。俺ってば今、孤児だし。どうしたものか・・・


 「ねぇ、君。俺が話し掛けてるんだからさ、こっち向いてほしいな」


 誰が向くか。顔を覚えられるじゃねぇか。まぁ、ピンク髪した奴なんて顔を覚えなくても分かるだろうがな。


 「髪が短いし坊やで良いんだよな?それにしても、凄い色をしているなその髪。そんな色は初めて見た」


 そりゃあ、乙女ゲームのヒロインちゃんの髪色なのだから目立って当然。他と一緒だったら、主人公の特別感が無くなるし。


 う~ん、見なかった事にしてもらう?いや、無理だな。賄賂に使えるような金なんて無いし、頼んだ所で了承してくれるとも限らない。そんな危険を犯してまで顔を覚えられたくはない。・・・なら、どうする?



 ・・・・・・・・よし、逃げるか。



 俺は今日買ったばかりの長めのローブを買い物袋から取り出し、フードが付いていたので頭から被る。そして、後ろの男とは逆の方向へと走り出した。つまりは悪党共が寝ている方へ。


 悪い奴等が寝ている地面を飛び越えて、走って逃る。でも___


 「・・・待て」


 ___ちっ、仲間が居やがったか。


 進んでいる方向の曲がり角から剣を腰に携えた大きくて若い男が現れた。俺は顔が見えないようにフードを深く被りなおす。


 前と後ろに知らない男。おそらく、この二人は仲間。最初に話しかけてきた後ろの男も、俺の方へと歩いて来た。


 武器を持つ大人の男が、武器も持たない小さな子供(俺)を取り囲むってどうよ?ヒドくね?


 あらー、挟まれたか。仕方ない。



 「風の精霊さん、俺の魔力を半分使っていいからお願い」


 風の精霊達に小声でお願いする。前も後ろも横も移動できないならば、上だ。


 俺は風の精霊達の協力により、風圧の力で空へと吹き飛んだ。小さな俺の体は軽く、風に舞う布の如く空へと飛んだ。ただ、こんな荒業をするのは初めてだったのでバランスを取るのが難しい。俺は壁と壁との間を蹴り体勢を整え、家の屋根へと着地した。


 クソッ、今日買った荷物は置いて行くしかない。残念だ。


 なんとかバランスを整え、家の屋根まで来れた。さぁ、逃げよう。



 「君、凄いわね。今の、どうやったのか聞かせて?」


 だぁあああ!!まだ仲間が居やがったのか!?


 俺が着地した屋根の上に弓矢をもった女性が居たらしく、話し掛けられた。そして、遠くの屋根にも弓をもった男性が居る。


 完全に包囲されてたんじゃん。仕方ない、残り半分の魔力で大通りを挟んだ向こうの屋根まで逃げるか。さすがに、あんな場所まで来れないだろうし逃げられると思う。



 「はーい、つぅかま~えた♪逃げるなんてヒドイなぁ」



 風の精霊達にまた頼もうとした時、いきなり俺の体が宙に浮いた。


 背後から来た男に、ヒョイっと抱えられたみたいだ。というか、おい。お前ってば最初に声を掛けた奴じゃねぇか!?どうやってココまで登って来たんだよ!?


 ここ、結構な高さがあるよな!?本当に、どうやって登って来たのん!?


 「それで、その子どうする気?」


 弓を持つ女性(この人も、まだ若いし胸が凄い)が、俺を抱えている男性に話し掛ける。


 「とりあえず、このままギルマスの所まで俺が連れて行くわ。下の連中は頼んだぜ」


 「ええ、了解よ」


 二人の会話を聞いて考える。



  〝武器を装備した人達〟 〝ギルマス〟 〝下の連中は頼んだ〟



 ・・・この人達 冒険者か。


 え?ちょっと待って。「連れて行く」って言ったか?いやいやいや、待って。俺は別に冒険者ギルドに用なんか無ぇよ?もちろん誘拐犯の仲間でも無いし。


 「あの・・・ボク、関係ないので放してください。急いで帰らないと」


 俺は渾身の上目遣いで、精一杯の可愛い顔をしてお願いをするという必殺技を炸裂させた。


 どうだ!この子猫の様な可愛いキラキラした瞳は!これに落ちない人間なんて居ない!果物屋のおばちゃんや門番さん同様、貴様も骨抜きにされるが良い!


 「じゃあ、急いで冒険者ギルドに行こうな?」


 ・・・結果、何も変わらない。


 な、なん・・だと。まさか効いていない?こやつ、人間か!?


 何故だ。このアザトイ演技が効かないだと。演技指導を習った事は無いが、ヒロイン補正があるこの顔で見詰められているのに・・・・化け物か!?


 くそっ、離せ!離せよ!猫みたいに襟首を持ちやがって!おーろーせー!


 手足をバタバタさせて反抗してみるが、子供の体では意味が無い。俺が泣こうが叫ぼうが関係ないと言わんばかりに、俺を肩に持ち上げた男は移動する。これってさぁ、周りから見たら誘拐じゃね?


 誰か~、ここに誘拐犯が居ますよー、たーすけて~!




12月24日 メリクリ~☆

1人寂しい俺は街の賑やかな雰囲気だけでも味わってくる

行ってきやす ヾ(=・ω・=)o

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