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049話 攻略キャラ E


 3-9.攻略キャラ E



 拝啓、お姉さま。我が最強のお姉さまへ。


 あなた様の愛する攻略キャラ『エルナルド=C=ランブレスタ』は幼い頃から美形だった様です。


 写真を撮れない愚かな弟を、どうかお許し下さいまし。


 追伸 冷凍庫の『チョ○モナカ・○ャンボ』は私めの物でございます。食べないでね。かしこ。




 ゆっくりと上げられた顔は、幼さはあるが美の女神にでも愛されているのでは?と思うくらい整っていた。


 滑らかな金の髪が揺れ、透き通るような青い瞳は俺を見つめている。不安さを残したまま。


 この乙女ゲームの王道。攻略キャラ『エルナルド=C=ランブレスタ』第二王子は、まだ目元に涙を溜めていた。




 無理無理無理無理!無理だって!!


 フェイだけでもお腹いっぱいなのに、なしてココで王子様が登場なんよ!?


 神様よ!あなた様はアホなのでございますか!?


 何?バカなの?ボケなの?死ぬの!?


 ていうか、なんで此処に王国の王子様がいるんだよぉ!



 何?イベントか?イベントなのか!?



 無理だって!だって俺、王子様ルートやってねぇもん!それは姉さんがプレイするやつだもん!


 何も知らん俺に何せぇっちゅうの!?



 「急げ。此処から出るぞ」


 後ろのフェイから命令が下る。


 ああぁ、前門のエル王子、後門のフェイ。俺に逃げ場はないのか・・・。



 王都に来ただけで攻略者キャラの(タブル)イベント。



 俺はアリ地獄に捕まった気分のまま、涙目でエル王子を治療した。


 「・・・ん?何かおかしい。外が騒がしくなった」


 フェイの耳がピコピコ動いている。じーーーーーーーーーー。うん、可愛いぞ。


 「ミネル~、居るかぁ?俺の可愛いミネルや~い」


 OH!この声はタジルか!


 た、助けちくり~。俺、牢屋は出たけど、混沌と混乱が渦巻く空間に居るんでござんすー。






 はい!無事に脱出しましたミネルです。


 助かった、本当に。あんな摩訶不思議☆攻略キャラ(タブル)イベントをしなくて良くなった。本当に良かった。


 助けに来たタジルと一緒に居たクリスが、エル王子を見て目を丸くしていた。そういえばクリスって元貴族とか言ってたっけ?


 冒険者達の活躍により、王都に居た裏奴隷の商人達は捕まった。だが、それでも違法な奴隷商はこれだけではないらしい。


 今、エルナルド王子の事を冒険者のお偉いさんが王城に知らせに行っている。そのエル王子は俺達と一緒にギルドにて待機中。


 フェイ?なんか冒険者登録するとかなんとか言って、どっか行った。



 んで、今はエル王子に質問中。クリスがな。


 「エルナルド様。何故、あなた様があのような場所に()られたのですか?」


 「・・・家出した。父様がヒドイ事言うんだ。だから城を抜け出してきた。そしたら・・・」


 「なるほど。国王陛下がエルナルド様に何かヒドイ事を仰ったのですね?」


 「そうだ!勝手に婚約者を決めて!俺の気持ちを無視するんだ!結婚する相手は俺が決める!父様じゃない!」


 あ~、偉いさんあるあるですな。王族や貴族は親が婚約者を決めるのが当たり前みたいな時代か。じゃあ、仕方ないんとちゃう?と思ったバリバリの他人事。興味なし。



 「何が『聖女』だよっ!!俺はそんなの知らない!会った事もない奴と婚約なんて出来るかっ!!」



 エルナルド王子の言葉でタジル達全員が俺を見る。


 いやいやいや、俺じゃないよ。だいたい俺、属性検査を受けて無ぇし。それに男だって言ってんじゃん。他人事・・・だよな?




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