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048話 攻略キャラ F


 3-8.攻略キャラ F



    □ ■ □ ■ □ ■



 さ~てと、次はどいつを攻略するべさ。


 んー、こいつ仲間で唯一の獣人だし、こいつにするか。


 え~と。詳細、詳細。


 狼人族を治める村長の孫?なしてそんな奴が奴隷になってんの?


 魔王軍に村が滅ぼされ、村人は殺されるか奴隷にされた・・・乙女ゲームの設定で、その残酷性は如何に。


 性格は荒いが、子供好き。戦闘では近距離の格闘タイプ。攻撃力と体力は攻略キャラではトップレベル。


 生き残りの村人を探すのに、ヒロインと協力する内に結ばれていく。これも、ありがちな展開だねぇ。




 属性の主軸は『火』。 他に『土』と『風』が可能。


 得意武器は『グローブ』と『爪』


 攻略難度はA~DでいうとD級。お金さえあれば村人全員を解放できる。



 お金がない場合はどうすんの?え?『奴隷商との戦い』イベントを参照?ふ~ん。



    □ ■ □ ■ □ ■



 あんの~、フェイさんや?なしてお前が此処にいんの?


 お前ってば乙女ゲームで〝犯罪奴隷〟として正規の奴隷商に売られてたじゃん。なんで裏奴隷商に?


 あと〝子供好き〟はどうした。何処に置いてきたんだよ。不法投棄してきたのか?ダメだぞ、犯罪は。結構、心が痛むぞ。


 はっ!?もしかして、これが俗に言う〝ツンデレ〟か?マジでか、デレを見てみたい。是非とも見てみたいぞ。


 じゃなくてさ!こんな時ぐらいゲームの補正力を停止してくれよ、神様っ!!




 暗い牢屋では、フェイの顔がよく見えない。本当に獣人かも分からないくらいだ。尻尾見せて、尻尾。


 それと、気になる匂いが俺の所にも漂ってくる。これって血の匂いじゃね?


 「フェイレシルさん。もしかして怪我してます?」


 「ちっ・・ああぁ、少しヘマしちまってな。まぁ俺は獣人だ。ほっときゃあ、その内に治る」


 「俺が治しましょうか?痛いでしょ?」


 「・・っ!?お前っ!お前『光』の属性が使えるのか!?」


 あ、フード。フード取られちゃったんだ、ミスったな。


 「おい、お前!俺に着いているこの首輪に、解呪の魔法をかけろ!そしたら此処から助けてやる!」


 ん?解呪の魔法?まぁ別に良いけど。でもさぁ~。


 「保証は?」


 「あ?」


 「あなたが俺達を助けてくれるっていう保証です。もしかしたら貴方だけが逃げて、それを俺達の責任って事で怒られたらどうするんです?」


 「ああぁん!?俺は狼人だ!お前ら人間みたいに嘘はつかねぇんだよ!殺すぞ、くそガキ!!」


 この人、助けるとか言った口で殺すぞとか言ったぞ。もしかしてアホなのか?


 でも、そうだった。狼人は神獣を崇めているのだが、嘘を付かないっていうのが決められてたっけ。神獣様は嘘を臭いで嗅ぎ付けるから嘘はダメだよってやつ。


 俺はさっそくフェイに解呪の魔法をかける。その後、パキンッという音がして、何かが地面に落ちる音が聞こえた。


 そして〝バキッ〟とか〝グシャッ〟などの音が闇の中に響いて、暗闇からフェイが近付いてきた。


 「ほら。ソコから出な、ガキ共」


 フェイは俺らの牢屋の格子を手で握ったかと思うと、その鉄の部分が赤くなり曲がった。


 「それとな、お前。そこのずっと泣いてる、ガキ。そのガキにも回復魔法を掛けてやんな。さっき奴隷商の男に殴られてたからな」


 え?そうなの?全然、気が付かなかった。ずっと俯いて体育座りしているんだもん、この子。


 「ほら、君。逃げるよ。立って、立って。そんで怪我を見せて」


 少年はビクッとなった後、ゆっくりと顔を上げた。


 お~、スゴイ綺麗な顔じゃん。でも、どっかで______



      _______げっ!?




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