045話 大事なのは衣・食・住!
3-5.大事なのは衣・食・住!
俺は今、ボロボロになった建物の前に居ます。
路地裏で暮していた孤児の兄妹に案内してもらい、路地裏を通り抜けて『旧市街』と言われる場所に来ていた。
その場所にあったのは、今にも倒壊しそうな建物。孤児の子供達いわく、ここが旧孤児院なんだって。今は危ないので、もう誰も住んでいないらしい。
隣には小さな教会がある。その教会も天井に大穴が空いているし、建物の中も草が生え放題だった。
「孤児院はここだけなの?」
「市街地に新しいのが一つあるよ。でも、その孤児院は選ばれた者しか入れないんだって」
俺があげたお菓子を、妹と仲良く食べている男の子が教えてくれる。
「選ばれた者?それはどういうふうに選ばれるの?」
「〝見た目が良い者〟とか〝運動神経が良い者〟とか〝頭が良い者〟とかだよ。俺達は妹がダメだと言われたから断ったんだ」
兄の言葉に妹が泣きそうになり、兄は妹の頭を撫でた。
・・・・なぁ。
なぁ、ここってさ乙女ゲームの世界なんだよな?そうなんだよな?
え、何これ?
ちょっと、この乙女ゲームの製作者さんや?ちょっとだけ面貸そうか?説明してくれちょ。
何で王都がこんな設定なの?孤児が今日、生きるか死ぬかの世界とかドン引きだわ!
ヒロインと攻略キャラのキャッキャ☆ウフフはあんなにも幸せオーラが充満していたじゃねぇか!?
王都での会話イベントでも楽しそうにデートとかしてさぁ!いかにも、幸せピンク色みたいな世界を描いていたじゃねぇか!?
でも、裏では孤児達が空腹と寒さに耐える世界だったのか!?あんなにやり込んでプレイしていたのに全く気付けなかった・・・
ボロボロの孤児院の前で考え込む俺。
まず人間に大事なのは『衣食住』だと何かで聞いた。
まず『衣』! 無理だ!そんなに金が有る訳じゃない!
『いざ!孤児院・再生計画』 オワタ\(^o^)/
待て待て待て待て、待ってくれ。始まったばかりで諦めてどうするよ、俺。保留!そう保留って事でよろしく。衣は保留だ。
では次、『食』!
んー、樹と光と土の精霊に頼めば草系の野菜とか果物は大丈夫だと思う。その種も樹の精霊がくれるし。
では最後、『住』!
これなぁ、俺の目の前にあるボロボロの建物。コレも樹と土の精霊に協力してもらえれば・・・直せなくもない・・・のかな?しかし、しかしだ。大問題がある。
ここって誰の土地?
俺が修繕したとしても、権利者に「返せ」と言われたら返すしかないだろう。
じゃあ『住』も保留?・・・俺、ヒロイン役の主人公なのに『食』しか準備できないのか(泣)。
無いよりマシ!無いよりマシだ俺。めげるな!
いつかの悪魔秋斗も言っていたではないか。〝食は人類の至宝〟だと。あの言葉を胸に明るい明日を目指そう。よし!
俺はまず、旧孤児院の庭で畑仕事を始めました。
今まで書いた この小説を読んでみて思ったこと
・・・字、間違いすぎじゃね?
皆様、ごめんなさい
読んで頂いて ありがとうございます (。-人-。)