表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/187

032話 ※シグマ※ Prt.2


 2-11.※シグマ※ Prt.2



    ※ ※ ※ 上忍  藤堂 シグマ 視点 ※ ※ ※



 「シグマ、大人しくスザク様をこちらに渡せ」


 「渡す訳がないだろうがっ!」


 俺は刀を構える。だが、この人数だ。いったいどうすれば逃げられる。


 「俺達に渡さずどうする気だ?戦う気か?我々と」


 勝てないのは分かっている。だが、どうにかしてスザク様だけでも。



 「お前の体にはゲンブ様が興味をお持ちになってな。シグマよ、お前はどうしてまだ生きている?」


 ・・・?言っている意味が分からない。どうしてだと?


 ミネル君が治療してくれたおかげだが言える訳がない。


 「お前には、確かに組織に伝わる秘伝の毒が塗られた刀で斬ったはずだ。なのに何故、お前はまだ生きている?」


 「なっ!?」


 『秘伝の毒』をだと!?あの毒を治すには、今やスザク様が継承したアレしか無いはず。


 ミネル君。きみはいったい・・・・



 「まぁ、答えなくとも良いさ。お前を殺した後に体を隅々まで研究すれば良いだけの事」


 周りの奴らが刀を抜く。やはり全員の刀にも毒が塗られており、液体が滴っている。


 「・・・・やれ」


 男の合図で、周りの奴らが一斉に襲い掛かってきた。


 俺は得意な『火遁の術』で突破口を作ろうとしたが、相手のほとんどが『水遁の術』を使える奴ばかり。完全に対策がされていた。



 「・・・かっ!」


 「スザク様っ!?」


 くそっ、スザク様が!どうやら気絶させられたらしく、男に抱えられている。


 「優秀な暗殺者候補でも所詮は子供だったか・・・例の場所まで運べ」


 ちっ!スザク様を放しやがれ、クソどもがぁあ!!!!



 「がはっ!!!!」


 俺は後ろから刀で貫かれた。痛む腹から暖かな血が流れるのが分かる。


 「・・・【火遁・業火球の術】」


 最後の足掻きだと分かっている。だが、最後まで俺はスザク様を・・・。


 「・・・追え。奴の遺体は回収しろ」


 「・・・はっ」








 スザク様が連れて行かれた方へと急ぐ。だが、もう目が霞んできやがった。


 俺は何かにつまずき、地面に倒れた。


 起き上がる事が出来ない。目も、もう見えなくなってしまった。毒がまわってきたか。


 地面に俺の血が溜まっていくのを肌で感じる。もう手で印を結ぶことも出来ない。これでは術を使うのも不可能か。



 セイリュウ。セイリュウよ・・・すまない。


 俺は、俺は・・親友のお前の大事な息子を守れなかったみたいだ。


 本当にすまない。


 俺は、もう死ぬのか。


 セイリュウよ。今から、お前の所に行くから。


 直接、お前の所に謝りに行くからさ。本当にごめんな、セイリュウ。スザク・・さ・・・ま・・・・




 「・・・ん・・・・こ・・こは・・・」


 俺はゆっくり目を開けた。何だ?動けない。


 「・・・洞窟、か?待て、なぜ俺はこんな所に。い、いや、なぜ生きて・・・」


 俺は混乱している。目が覚めると体の半分以上が土に埋まっている状況だった。しかも刀で刺された箇所が痛くない。


 いったい、何がどうなって・・・・


 俺は周りを見渡し、見付けた。左の壁に書かれた文字を____



 『


      死にたがり屋のシグマさんへ


      しばらくそこで反省してろです



               ミネル

                           』



   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ