表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/187

031話 ※シグマ※ Prt.1


 2-10.※シグマ※ Prt.1



    ※ ※ ※ 上忍  藤堂 シグマ 視点 ※ ※ ※



 やはり泣いてしまわれたか。スザク様はあまり感情を出す御方では無いのだがな。


 俺達は世話になったミネル君の屋敷から出て行った。


 不思議な子だった。


 珍しいピンク色の髪をした小さな子供。あれでも8歳らしい。


 身長はスザク様とほぼ変わらないのにな。


 回復魔法が得意なようで、普段は冒険者ギルドで働いているとか。


 小さいのに自立しているなんて凄い子だ。



 そんな子を巻き込む訳にはいかない。


 昨日の昼。俺はいつも通り町を見張っていた。そして、とうとう来てしまったんだ。


 「・・・やはり来たか」


 一般の者を装っているが、暗殺者だとバレバレだった。素人がそんな気配の消し方を知るはずが無い。


 商人の男。主婦の女。デート中の若い男女。全員が暗殺者だ。


 仕方がないが、もう逃げるしかない。


 あいつ等の狙いはスザク様に継承された〝あるモノ〟の作り方が記された巻物。今ではスザク様しか閲覧できない様になっている。


 その代々統領一族だけが受け継いできた巻物は2つ。『秘伝・絶対毒』と『秘伝・毒回丸』。


 1つは、もうすでにゲンブに盗まれてしまった。だから、もう1つの方だけでも守らなければ。


 組織の情報網は凄まじく、すぐに俺らの居場所がバレるだろう。逃げるしかないんだ。



 町を囲む壁を乗り越え、暗い森へと潜む。大丈夫だ、気配はない。


 スザク様も泣き止んでいただけたし、ゆっくりと進もう。慎重に、気配を消しながら。


 まずはココから北にあるという、この大陸の王都を目指そう。人を隠すなら人の中だ。


 スザク様の健康も大事だ。焦らず休む事も必要だろう。



 休みながら移動して、空も明るくなった。


 それなりに離れたと思うのだが、そろそろ朝食を取らなければ。体力の回復は大切だ。


 食料は大丈夫。あの町でだいぶ買い足したからな。王都までは保つだろう。



 「スザク様。あと少し休まれた後、出発いたします」


 「・・・・うん」


 朝食を終え、その痕跡を消す。よし、出発しよう。


 だが、俺達が出発しようとした時____


 「ようやく見つけたぞ、シグマにスザク様」


 っ!?くそっ、いつの間に!



 俺達の周りには10人の暗殺組織の奴等が居て、囲まれていた。



    ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ