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030話 手紙

ごめんなさい (  ̄ω ̄;)

今回はいつもより長い文になっちゃいました

飽きずに読んで頂けたら嬉しいです


 2-9.手紙



    □ ■ □ ■ □ ■



 「おいおいおい。この魔王の幹部、強すぎだろう!?いつ倒れんだよ!」


 「くそっ!MPの吸収とかチート過ぎる。HPも吸収とかアホかっ!!」


 「だぁあああああ!!しかも、回避力がパネェ!物理攻撃ほとんど当たんないじゃん!!」


 「あ、あ、あ、待って待って!ミネルソフィを狙わないでっ!ヒロイン死んだらゲームオーバーなんだって!」


 「何なんだよ、こいつ!『壊れし強者』って!そのまま壊れてろよっ!めっちゃ動いてんじゃん!」


 「もう!攻略情報、攻略情報・・・ん?〝ネタバレ注意〟?ん~・・・まぁいいか。ポチッと」


 「〝スザクの父親〟?え?そうなの?〝HPを赤ゲージにすれば、顔の仮面が壊れて発覚します〟へぇ~」


 「〝簡単に倒したい場合は、ゲンブ戦で入手した『秘伝・毒回丸』を相手に使いましょう〟?」


 「・・・・それを先に言えよぉおおおお!!!!」



 ドンッ!!!! 「秋斗ぉ!!さっきから、うっさい!!黙りなさい!!!」


 「あ、すんませーん」



    □ ■ □ ■ □ ■



 強かったなぁ、セイリュウ戦。


 『秘伝・毒回丸』の弱体化が無ければゲームオーバーだったな、あれは。



 俺はベットで横になりながら、ゲームの事を思い出していた。


 あの後、「とりあえず今日は遅いので寝ましょうか」という事で落ち着いた。






 なぁ、神様。


 次は俺に何を望んでんだ?


 スザクの助っ人?父親の救出?ゲンブの討伐?『朧』の壊滅?


 何で俺はスザクに会っちまったんだろうな?


 父親・・・かぁ。


 うん、まぁ大事なのはよく知っている。


 運動会で褒めてくれたし、旅行にも連れてってくれた俺の両親。


 でも、スザクにはもう父親しか居ない。


 俺に出来る事。スザクが救われる方法。


 俺、ヒロイン役だし。スザクを救うのは俺になるのかな。


 今回も頑張ってみるか。まぁ、見といてくれよ神様。上手くやるからさ。



 俺はゆっくりと目を閉じ、深い眠りについた。








 「・・・・・・は?」


 俺は数分、思考が停止していた。


 朝ご飯ができたので、珍しく遅起きな二人を起こしに来たのだ。


 でも、二人は部屋に居なかった。荷物も全部無くなっている。


 部屋にあったのは、机の上に残された一枚の紙。


 書かれていたのは_____



 『

     ありがとう  世話になった


     また会える日が来たら 礼をしに来る


     さようなら  お元気で




     ばいばい ありがとう みねる




               シグマ   すざく

                           』



 ・・・


 ・・・・・なぁ?


 なぁ、みんな。どう思うこれ?いったい何なの?



 あんのアホ共ぉおお!逃げられないって分かってたんじゃねぇのかよっ!!ふざけんなっ!!!


 「精霊たちっ!!!みんな来てっ!!!!」


 俺は窓から飛び降り、庭に出た。


 俺の呼び声に、数千万、いや数億の精霊達が集まる。俺の2年による努力の結晶だ。



 「ここに居た2人の人間を探して!見つけたら俺を案内して欲しい!!頼んだっ!!!」


 俺のお願いに、精霊達が動き出す。


 全ての属性の精霊達が一斉に散らばった。きっと、あの子等にとっては遊びなのだろう。〝かくれんぼ〟や〝鬼ごっこ〟みたいなものだ。




 精霊達に案内される俺。そして案内された場所で見付けたのは、血だった。


 森の中で見つけた血。その血が東の方向へ点々と地面に続いている。精霊達もその方向へと指を差している。・・・行くしかないな。




 そして、見つけた。


 地面に倒れている見覚えのある黒い衣装の男。そして、その周りに居るのは同じ黒衣装を纏った3人組み。この場所からでは男か女かは分からない。


 その黒衣装の1人が黒いナイフを片手に持ち、地面に倒れている男に止めを刺そうとしていた。


 「精霊たち!止めてっ!!」


 俺はナイフを持つ男を指差して、精霊達にお願いする。


 グンッと魔力が無くなった気がする。でも、大丈夫だ。俺はヒロイン役で聖女だ。俺のもつ魔力量を舐めんなよ。


 お願いと共に、回復魔法を倒れている男に行う。間に合え、間に合え!


 三人の黒衣装共が、水に氷に火に風に木に土に草に影に闇に光に___って多いよ、どおりで力が出ない訳だ。どれだけ俺から魔力を使ったんだ。


 暗殺者達は沢山の何かに体を封じられている。とりあえず精霊達にお礼、ありがとうな。


 そして、俺は暗殺者達との間に土魔法で厚い壁を作った。残りの魔力が少ないのか息がぜぇぜぇ言っている。泣きたくなるほど(つら)いが、これは必要な壁。こいつ等が平気で自爆するのは分かっているから。



 三度の爆発音を聞きながら、地面に倒れている人物を見る。


 地面に倒れていたのは、やっぱりシグマさんだった。


 さっそく脈を調べる。・・・ある、大丈夫だ。生きている。でも、かなり弱い。


 血を止めて、体力を回復させて、解毒魔法も必要だ。血が出ているので、また毒に犯されているだろう。


 ・・・俺、干からびて死ぬかも。


 いやいやいや、がんばれ俺。せっかく間に合ったんだ。俺もシグマさんも生きて帰るんだ。


 シグマさん、これで死んでたら死体でも殴るからな。


 シグマさんの治療をして、無事に終わった。今は呼吸も整い、シュッサー先生の薬も使った。これで彼は助かるだろう。


 でも・・・スザクが居ない。








 さて、あのアホ・シグマは近くの場所に洞窟作って置いてきた。


 洞窟も入り口を塞いだので見つからないだろう。ちゃんと空気も穴あるし。焼き菓子も袋に入れて置いて来たし、水も置いた。


 そして、シグマさんの胸から下を土に埋めといた。これ以上、余計な事をしてもらっては困るから。


 手紙もちゃんと書いたしな、洞窟の壁に。


 さて、スザクを迎いに行きますか。




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