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024話 あなたは、だぁ~れ?


 2-3.あなたは、だぁ~れ?



 懐かしや、俺が一晩泊まった洞窟やぁ~。


 俺は、まだ気を失っている男をエッコラエッコラと運んで洞窟の中に居た。


 町に入る時、門番さんから質問されても答えられないし。そもそも、この人連れて帰るにも距離的がありすぎる。見よ、もやしっ子である俺の細腕を。これでは無理だ。


 それに、この人の着ている服。ドコからどう見ても乙女ゲームにも登場した暗殺者の格好だ。まずは事情を知らないと。


 あのゲームで、仲間にも敵にもこの格好をした人達が居たから凄く記憶にある。間違いない。


 そう、仲間にも。つまりは攻略キャラ。


 ・・・2年、2年かぁ。まぁ、もった方だよなぁ。乙女ゲームに関係ない2年という月日、とても楽しかったなぁ(泣)。



 いやいやいやいや、諦めるな俺!まだ関係していると決まった訳ではない!まだチャンスはあるぞ、俺!


 そう自分で自分を慰めている時、倒れていた男性の意識が戻ってきたようだ。


 「・・・うぅ・・・ぐぁ・・・」


 あり?回復魔法、ちゃんと効いたよな?何でそんなに苦しそうなのん?


 俺が疑問に思っていると、樹の精霊達が俺のバックから一つの草を運んできた。これは〝解毒草〟?


 ・・・・・毒かっ!?


 俺は急いで男性に解毒魔法を行う。だけど何だか効きづらい。


 俺はムキになり、光の精霊達にも協力してもらい全力で魔力を使う。俺に治せない状態異常なんてねぇぞ、おらぁあああ!!なめんなぁぁあああ!!


 無事、完治。


 そら見ろ。俺ってば光の女神様から加護を貰った聖女様ですわよ?・・・女じゃねぇけど。


 とにかく完治した。これで大丈夫なはず。そろそろ、この男性も目覚めて良い頃合いなのだが。


 「・・・・・・・俺・・は・・」


 あ、起きた。


 「もしも~し。大丈夫ですかぁ~?聞こえてますかぁ~?あなたは誰ですかぁ~?」


 目覚めたようだし、声をかけてみる。ゆっくり俺の方を向く男。赤い綺麗な目だねぇ。


 「・・・生きて・・いるのか?俺は。俺は死んだ筈では・・・」


 「死に掛けてはいましたね。でも、もう大丈夫ですよ。そして、あなたは誰なのですか?」


 自分の手を開いたり閉じたりしている男。ねぇねぇ、俺の質問、聞いてます?


 「そうか。死なずに生き延びたのか、俺は・・・良かった・・・」


 「そうですねぇ、良かったですねぇ。で?あなたは誰なのですか?」


 「・・ああぁ・・良かった・・本当に。もう、ダメかと・・・うぅ」


 「・・・・・・・・」


 おい、名乗れよ。


 何コイツ?総スルー能力高すぎない?俺の声、聞こえてるよね?名乗れよ。



 男が泣き止むまで、しばし。


 「・・・ありがとう。本当に助かった。礼を言う」


 「いえいえ、そんなぁ~。それで?あなたは誰なのですか?」


 「すまないが、俺は急いで向かわないといけない場所がある。これにて失礼を」


 「え?ちょ____」


 男は立ち上がり、疾走と森の中へと消えて行った。



 ・・・


 ・・・・・・は?おい、何あいつ。俺の質問は無視か?助けてやった俺に?



 「名乗れやぁああ!ボケェエエエッ!!!!」


 俺も立ち上がり、怒鳴りながら男の後を追い駆けた。




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