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018話 服が、俺の服がぁ


 1-18.服が、俺の服がぁ



 「・・・き・さま・・・貴様ぁあああああ!!!!!」


 OH!死霊王さん、激オコ。先程の轟音が何を意味しているのか分かったようだ。その瞬間、俺に闇魔法を放ってきたがクリスさんに弓矢を借りたタジルによって全て撃墜された。


 さすがは攻略キャラ随一の弓使い。弓を引く所も、矢を放った瞬間も全く見えなかった。しかも数本の矢を一度で放つとはレベルたけ~。


 自分の攻撃を全て無効にされた死霊王がさらに怒る。悔しかろう。魔王様から〝貸して〟頂いた『闇の宝玉』が壊れてしまったから。始末書で済むかな?無理だよね?


 ゲームでは闇の宝玉は死霊王の物だったけど、10年前である今のの時代ではまだ死霊王の物では無く、魔王の物だった。まだ闇の力が弱い宝玉を完成させるのが今回、魔王様から命じられた死霊王が死霊種を集めた理由。トラウマイベント後、完成させた報酬として魔王様から宝玉を頂く事になる・・・はずだった。


 「貴様だけは許さんぞっ!聖女!殺してやる!絶対にこの死霊王、自らが殺してやる!」


 あり?敬語はどったの死霊王さんや。なんか口の悪い不良みたいなセリフを言ってるのだが。キャラ崩壊?

光の精霊と

 「今の貴方が?闇の精霊への強制力を無くした貴方が?光の女神様から加護を頂き、光の精霊達に守られている聖女に?どうやって?」


 「ぐっ・・・」


 ほら、しかも闇の精霊達も死霊王に怒ってるよ?自由になって喜んでいた闇の精霊達が、今では俺の近くに来て死霊王を睨んでいる。しかも、こちらには攻略キャラであるタジルや、その仲間達も居る。完全に負け戦だと思うけど。



 「・・・この場は退くと致します。魔王様への報告と謝罪が必要なので。しかし、忘れますな。必ずや聖女である貴女はワタシが殺しますので。では、今日はこれにて失礼を」


 死霊王は空中に溶けるかの様に薄れていき、夜の闇へと消えてしまった。・・・え、ていうか何アレ格好良い。あんな逃げ方を俺もやってみてぇ。




 「ミネル君。助けてもらった事には礼を言いましょう。ありがとうございます。ですが、この状況を説明して頂けますか?」


 敵の親玉が去り、これで〝めでたし、めでたし〟とは終わらなかった。ゲームだったら「そして、討伐作戦から3日が経った」とかナレーション付きで次の場面に移るのに。


 クリスさんが俺の肩に手をポンと置いた。そして、俺の肩に置かれた手の握力が次第に力加減を間違えているのか強くなり、肩が痛くなってきた。クリスさんや、ワシは6歳なんじゃよ?もう少し優しく扱ってくれんかのぉ?


 「君は治療部隊に配属され、一番後方にある救護テントに居るはずですよね?何故、こんな前線に居るのです?」


 俺が言い訳を考えていると、少しずつクリスさんの顔が近いてきて「ん?どうなんです?」と聞かれる。なんか怖い、怒ってりゅ?〝礼を〟とか言いつつ、クリスさんの握力が俺には暴力です。


 「そうねぇ・・・確かに危なかったから助かったけど小さな子供のあなたが、こんな危ない場所に来ているのは良くないわねぇ」


 ちょ、ちょっとトリアさん!?火に油を入れる様な事は言わないで!クリスさんが「そうですよね」とか言って握力が増したじゃん!6歳の肩を握り潰す気か!?


 あっ、そうだ。俺ってば光属性の身体強化の魔法、もう使えるんじゃね?クリスさんにバレない様にコソッと詠唱。おぉ、使えた。痛くない、素晴らしい。


 「・・・・・」


 あの~、ジルさんや?無言で俺の頭を撫でないで。地味に力が強くて、身長が縮む。



 「ミネル・・・・」


 俺達が居る場所にタジルが歩いてやって来た。


 そういえば、いつの間にか魔物達が居なくなっている。何でだ?死霊王が居なくなると、使役の力が無くなるとかだろうか?先程まで大量に居た魔物達が消えていて、めちゃくちゃに荒らされた墓地だけが広がっていた。修復するの大変そうだなー。


 「・・・ミネル」


 「タジルさん、無事なようで良かっ_____」


 「ミネル・・・・脱げ!」


 「・・・はい?」


 「だから!ズボン脱いで!中見せろ!!」



 ・・・・・・


 いやぁああああ!!変態っ!変態が居ますぅ!!おまわりさーーーん、こっちでーーーす!!!!



 「お、おおお、落ち着いて下さい、タジルさん。変わった性癖は誰にでもあるかもしれませんが、まずは落ち着きましょう。冷静に落ち着く事が大事だとボクは思いますです」


 タジルよ、どうした!?乙女ゲームで女性達がキャーキャー言っていた攻略キャラのお前が変態設定を追加してどうする!?女性達もドン引きだわ!


 焦る俺に、タジルの言葉を聞いたクリスさんがニヤリと笑った。


 「ああ、なるほど。そうですね、俺も気になっていましたし拝見しましょうか」


 ・・・はへ?


 ほわぁあっつ!?ちょっと、は!?真面目なクリスさんも何言っちゃってるんですか!?どうしたんだ2人共!あっ、止めて!ズボンに手を引っ掻けないで!


 「・・・手伝おう」


 ぬああぁ!ジルさんまで加勢してしまった!だ、誰かぁぁあ!助けてぇえええ!!!


 「うふふっ、お姉さんにミネルちゃんの大事な所を全部見せて頂戴ね~」


 あああぁあぁ、トリアさんまでぇええ!僕の大事な服がっ!大事なローブがぁ!全て剥ぎ取られてしまうぅ!



 いぃやぁぁあああああああ~~~。



 その後、タジル盗賊団によって俺の服が全て盗まれてしまった。窓辺にある1つの赤い牡丹の花が、地面にボトリと落ちた幻覚を俺は見た。




あけまして おめでとうございます

新年 無事に太りました

o-|  ̄ω ̄、 |-o

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