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107話 客寄せミネルの様だ


 5-20.客寄せミネルの様だ



 『助けて ピンチ ナウ』



 このツイートを見た人、お願い助けて。救助隊ヘルプ。


 乙女ゲームにどうやって?と思った人は、製作者さんのブログを炎上させて下さい。この際、暴言も許可します。


 これはもう製作者さんに乙女ゲームとはなんぞや、という定義を無理やりにでも聞かせて、頭の中をちゃんとピンク色にしなければならない事案だと俺は思うのです。



 「聖女さまぁあぁああああ!!ありがとうございますぅぅうううう!!」


 「こっち向いてくれぇぇえ!!聖女さまぁぁあああああ!!」


 「きゃぁぁあああ!!聖女様が、聖女様が手をお振りになっていますわぁぁあああああ!!」



 うん、逃げられなかった。


 逃げられなかったんですよ、俺。


 俺を囲む人・人・人・人の数、ちょっと怖い。それを抑えてくれているのは、俺の周りに居る騎士の皆々様。本当にありがとうございます。



 場所は王都にある中央広場。ココまでは逃げられた。でも捕まったんだよ、騎士団長に。そして尋問?質問?職質?が開始されてセバスさんが対応した。


 そしたら、東西南北から人々が集まり今の状況になってしまったのです。俺は逃げられないと悟り、中央広場にある噴水の縁に立って人々に手を振っています。


 あれ?よく考えれば、これって騎士団長のせいじゃね?よし、さっきのお礼は無かった事でよろしく。


 そもそも走って逃げれば良かったのに、セバスさんが「侯爵令嬢たる者」とかなんか言われて優雅に歩いて逃げた。


 そりゃあ、捕まるはボケ。




 俺は今、周りに居る人達に笑顔で手を振っています。まぁ、白いベールを頭から被っているから笑顔は見えていないだろうが。


 だけど、近くに居る騎士達には薄っすらと顔が見えている。そろそろ口元がピクピクしてきた疲れる。


 あぁ、なんかどんどん人が増えている様な気がする。まるでパレードだ、どうしよう。俺は必死に、この状況からどう逃げるべきかを模索中。誰か助けて。



 「アンジェラ様。国王陛下と父君がお呼びです。王城へ参りましょう、私が警護いたいします」


 チーン・・・


 騎士の隊員さんが騎士団長に何やら小声で報告したと思ったら、騎士団長からの絶望的な指示が発令。


 ちょっと待って、お願い騎士団長さん。それはマズイっす。国王陛下にアンジェラさんのお父さん?絶対にバレるって、それ。


 王城かぁ・・・俺の人生、終わったなぁ。



 いや待て!諦めれな、俺!俺がアンジェラに化けてるだなんて思わないだろう。


 ・・・でも、もしバレたら?本物のアンジェラが説得してくれたとしても、俺が女装した事には変わりない。男の俺が女装している事がバレれ、結果的には女装癖の変態と思われてしまう。


 そして、〝あの時の聖女は男だよ☆〟という事実が国中に知らされ、俺の社会性立場(意味は知らない)が・・・・


 焦る俺はセバスさんに目で訴える。そして、お互いが頷き、確かめ合った後に迫真の演技を実行した。



 演目『アル○スの少女 ハ○ジ』


 場所 ランブレスタ王国の中央広場にある噴水近く。


 出演者  ミネル & セバス


 観客という名の騙される人  俺の周りに居る民衆 & 騎士団


 第一話 「ク○ラ、倒れる。焦るペー○ー。ハ○ジは今どこに?」



 いざ、開演。




 ふらり・・・


 ああぁ 私はもう 歩けない


 突然、地面に座り込む聖女(俺)。


 はぁ、はぁ、息が苦しいわ。私、どうしたのかしら?ああぁ、目眩まで。



 そう、今の俺はク○ラなのだ。あのアルプスで病弱設定がTOP1な少女。その体の弱さを、今でけオラに分けてくれ!


 突然、聖女アンジェラ様(偽者)が座り込む。そして、その俺をセバスさんが支えた。


 周りに居た人達は聖女アンジェラ様(偽者)が突然、体調不良になってしまった事に焦り、心配をして騒ぎになってきている。よし!


 弱っている(嘘の演技)らしき少女(こちらも嘘)を心配し、騎士団も慌てている様だ。さぁ、このか弱い少女を早くお家に帰して休ませておくれぇ~。



 「ああーアンジェラお嬢様ーどうなされましたでショウかー」



 ペーーー○ーーーっ!!!



 おいこら、○ーター役よ。お前さん、完璧な執事じゃなかったんかい!どんだけ棒読みなんっすか!?


 「おっとーこれはいけないでございますですねー。すぐにでもーお屋敷に連れて帰らなくてはなりません、ですー」


 助けて、ハ○ジ~。あなたの所の専属執事ペー○ーが大根すぎる。〝ですー〟ってなんだよ、どんな語尾だ。同じ演目を演じている、こっちが恥いわ!


 その無様な演技を無表情で眺めていた騎士団長の口が開かれた。


 「それは、いけない!すぐにでもモンテネムル家の本邸までお送り致します。・・・おい、この事を陛下とモンテネムル侯爵様にお知らせしろ」


 「はっ!」



 ・・・おんや?



 え、信じたのん?マジで?


 き、奇跡だ。俺は今、奇跡を目の当たりにしている。え、良いの?本当に?僕ちん、帰ってもよろしおすのか?


 さ、さすがは、あの単純ワンコ系攻略キャラの父親。血筋とは恐ろしい、いや素晴らしいくらいに素直な性格だ。ありがたい、大好きだぞ。




 俺は無事にモンテネムル邸へと帰還した。小夜さんとは後日、会う約束をして帰る事にした。疲れたしな。あ、お駄賃としてお菓子もらって帰ろーっと。


 終った・・終わったな、レギオのトラウマイベント。


 ・・・あ、そうだ。レギオの母親!ちゃんと帰る前に様子を見に行かないと。最大の上級魔法は成功した。貴族街にもその効力は発揮されているはず。でも、ちゃんと無事を確かめに行かないとな。でも、少し足がフラフラする。先程、拝借してきた回復アイテムを食べなければ。



 俺は菓子セットをマジックバックから出して、ムシャムシャと食べながら急いでミクシオロン公爵家を覗きに行きました。


 結果、凄く喉が渇きました。お茶下さい。




お読み頂いて ありがとうございます

毎日 投稿していましたが

明日から一週間ほど 諸事情で無理っぽくなりました

本当に 申し訳ありません m(_ _)m

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