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好きな女性のタイプ論

作者: 浅野隆幸

 俺と拓也は女の好みが正反対だ。

 今日もしょーもない対立をしていた。


「俺は背が小さくてかわいい年下の女が好きだな。甘えられたいっていうか」

「ふーん。俺はスラッとしてて美人な年上の女性に憧れちゃうな。甘えたいっていうか」


 とはいえ、こういうバカ話を親友とするのは楽しいものだ。俺達はジュース片手に道端から、道行く人を眺めていた。


「お! あの娘可愛くね?」

 俺は歩いて行く小柄な女に目線をやった。

「はぁ? あれが? あんなのしょんべんくさいガキじゃねえか!」


「俺は断然、あっちがタイプだぜ」

 そういうと拓也は別の女に目をやった。

「お前には大人の女の魅力が、わかんねえんだろうなー。年上の色気ってやつが」


「ちょっと行ってくる」

「お、おい!」

 拓也は俺の呼び掛けを無視してその女の元へ歩いて行った。


 全く……拓也は昔からこうだ。好みの女性に出会うと恥も外見も無く声を掛ける。


「お姉さーん、どこ行くの?」

 軽い。軽すぎる。俺は呆れてその様子を眺めていた。

「あら、何ですの?すみません。最近耳が遠くてねえ」


 拓也は今年で七十歳になるのに、相変わらずお盛んだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  面白いです!  こういう「思っていた光景が一瞬で変化する」作品は、とても楽しいです(*^^*)
[一言] 70歳から年上ってどんなんですの??見た目、ほぼわからないですよね?笑。 老いてますます盛んな事は素敵です。 面白かったです。
[良い点]  まさかのあの年代の方達だったのが、驚きました。  そういえば、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」という本に似たような話がありますよ。もし、読んでいなければ、読んでみてはどうでし…
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