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【揺花草子。】＜その1809：衆人環視。＞

　Ｂさん「今日は成人の日ですって。」

　Ａさん「ああ、そうだね。」

　Ｃさん「成人指定の日よね。」

　Ａさん「そう言う言い方しないでくれます！？

　　　　　途端にいかがわしさがすごいんですけど！！？」

　Ｂさん「あのね、成人の日と言えば成人式じゃないですか。」

　Ａさん「まあ、そうだねぇ。

　　　　　最近はお盆とかお正月に成人式を行う自治体も多いみたいだけどね。」

　Ｃさん「都市部への人口集中はますます進んで行っているわね。」

　Ａさん「いや・・・まあそれはそうなんでしょうけど・・・。」

　Ｂさん「まあとにかく成人式。

　　　　　もはや風物詩と言えるかも知れないけれども、

　　　　　はっちゃけた新成人が式の進行を妨害したり

　　　　　警察の皆さんと小競り合いを繰り広げたりみたいな事件が後を絶たないじゃない。」

　Ａさん「うーん、そうだねぇ。

　　　　　今年もきっとそう言うニュースがあちこちで出て来るんだろうなあ。」

　Ｃさん「阿部さんは成人式の会場で公然猥褻で逮捕と言う伝説を持ってるんだっけ？」

　Ａさん「持ってませんよ！！？　なんですその酷い伝説！！？」

　Ｂさん「そんなわけで今回も大荒れが予想される成人式。

　　　　　炎上案件の敷居が下がってる昨今の風潮を考えると

　　　　　ちょっとした騒ぎを起こすだけでそれから何年もの間自分に対して

　　　　　多大な不利益が降りかかる恐れがある。

　　　　　そのリスクと一時の享楽を両天秤に掛けたらどっちが優先されるかなんて

　　　　　すぐに解りそうなものなんだけどねぇ。」

　Ａさん「いや・・・それを見誤るのが若さなんじゃないのかな・・・。」

　Ｃさん「さすが阿部さん発言に重みがあるわね。経験者は語るってやつね。」

　Ａさん「だから別に経験者とかではないですし！！？」

　Ｂさん「そんな無軌道な若者たちを抑止する手段を思いついたよ。」

　Ａさん「えっ・・・そうなの？」

　Ｂさん「うん。たぶん効果抜群。

　　　　　本当に普段から無法で順法精神の欠片もないような

　　　　　どうしようもない人たちまではさすがに抑制できないかも知れないけれども、

　　　　　多少羽目を外して勢い余っちゃうぐらいの人たちならたぶん抑制できる。」

　Ａさん「ほほう・・・それは？」

　Ｂさん「かんたん。

　　　　　ローカルTV局の生中継を入れる。

　　　　　壇上からあのでかいカメラで常時会場の画を押さえ続ければ、

　　　　　さすがに無体をしようとは思わないでしょ。

　　　　　騒ぎを起こす＝TVであっと言う間にお茶の間に拡散されるだから。」

　Ａさん「あぁー・・・それはまあ、確かにあるかもだけど・・・。」

　Ｃさん「プライバシー的なアレとの兼ね合いの話に

　　　　　なって来ちゃいそうだけれどもね。」

　Ａさん「ああ、そう言う側面もありますね。

　　　　　でも確かに、TVカメラに見られてるってなれば

　　　　　さすがに大人しくしていようとは思いますよね・・・。」

　Ｂさん「でも阿部さんにはそう言うプレッシャーも

　　　　　乗り越えて騒ぎを起こして欲しい。」

　Ａさん「きみはぼくに何を期待しているの？」

　そもそも成人はとうの昔に過ぎた。

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