【揺花草子。】<その1866:あの背中を追いかけて。>
【揺花草子。】<その1866:あの背中を追いかけて。>
Bさん「ご存知シューベルトの『魔王』って歌曲があるじゃないですか。」
Aさん「ああ、うん、あるねぇ。
中学校ぐらいの音楽の教科書に載ってたような気がするよ。」
Cさん「『おーとーうさんおーとうさん きこーえーなーいーのーーー』で有名よね。」
Aさん「日本語詞のやつ・・・。」
Bさん「もともとはゲーテの詩に曲をつけたのだそうですね。」
Aさん「うん、そうですね。」
Cさん「つまり『作詞:ゲーテ/作曲:シューベルト』ってわけね。」
Aさん「いやそれは確かにそうなりますけどなんかそれニュアンス違う気が・・・。」
Bさん「ちなみに『魔王』を作曲したとき、シューベルトは17歳だったそうだよ。」
Aさん「17歳!! マジでか!!」
Cさん「そしてすごいあっと言う間に作ったらしいわ。」
Aさん「はぁ・・・さすが後世に名を残す天才ですな・・・。」
Bさん「そりゃムジークのひとつも発動しちゃうよね。」
Aさん「それは違うシューベルトだけどね。ベト先輩大好きシューさんだけどね。」
Bさん「17歳のとき阿部さんがいったい何を生み出せていたかって言うとね。
せいぜい二酸化炭素ぐらいのものだよね。」
Aさん「いっいや・・・別にそこはいいだろ・・・。
世の中のだいたいの17歳は二酸化炭素しか生み出せないよ・・・。」
Bさん「まあそれはそうとして、さっきも言ったとおりこの『魔王』は
もともとゲーテの詩に曲をつけたものなわけです。」
Aさん「うん。」
Bさん「ゲーテって言うと中世の人ぐらいのイメージがあるかも知れないけど、
実は意外や意外、時代的には18〜19世紀の人。
17世紀終盤から18世紀半ばに活躍したバッハと
18世紀後半から19世紀前半に活躍したベートーヴェンとそれぞれ
前後半重なるぐらいの時代に生きた人なんです。」
Aさん「ほほう・・・そうだったんだ?」
Cさん「それで、シューベルトと言えば19世紀前半に活躍した人ね。
僅か31歳の生涯だったそうよ。」
Aさん「なるほど・・・
となると、ゲーテとはそんなに時代がかぶってなかった?」
Bさん「実際にはゲーテは1749年生まれの1832年没、
シューベルトは1797年生まれの1828年没。
50歳くらい年が離れてたってことになるね。」
Cさん「なのでシューベルトが『魔王』を書いた頃、
ゲーテはもう65歳ぐらいだったわけね。」
Aさん「おぉ・・・」
Bさん「ゲーテ的には
『お前誰やねん』って感じだったろうね。」
Aさん「ゲーテなんで関西弁。」
若き才能。
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