【揺花草子。】<その1859:刻の涙。>
【揺花草子。】<その1859:刻の涙。>
Bさん「今日は通算1859回目の話数ですよ。」
Aさん「はぁ、うん。」
Bさん「西暦1859年と言えば何の年でしょう?」
Aさん「えっ? えーっと・・・」
Cさん「この先ことあるごとに西暦トークするからね。
その端緒だと思ってくれればいいわ。」
Aさん「なんですその微妙な企画バラシ。
でも、えーと、1859年と言うと・・・江戸時代末期だよね?
鎖国が崩壊して列強の世界分割に今まさに巻き込まれんと言うタイミングかな?」
Bさん「確かにそうだね。その前年・1858年には日米修好通商条約が結ばれてる。
同じ年にオランダ、ロシア、イギリス、フランスにも
国際経験のなさにつけ込まれた不平等条約を強いられたよ。
俗に安政五カ国条約と言います。」
Aさん「うーん。いろいろ辛い。」
Bさん「そしてその翌年には幕府の失政による権威の失墜を
反対派の粛清で乗り切ろうとして大変な事件が起こるわけです。」
Aさん「あぁ・・・そう言うヒントを出されると分かるな。
安政の大獄だね?」
Bさん「そうそう。開明派の領主や志士たちを次々と弾圧した事件。
一連の弾圧は1年ほど続いたと言うよ。」
Aさん「うーん・・・。」
Bさん「でも今日話題にしたいのはそれじゃなくて。」
Aさん「それじゃないのかよ。」
Bさん「あのね、1859年には、数学の分野で非常に大きな出来事が起こったんです。」
Aさん「数学・・・?」
Cさん「ミレニアム懸賞問題って聞いたことないかしら?」
Aさん「あー・・・あります。
確か未証明の数学上の定理ですよね?
証明に莫大な賞金がかけられているって言う・・・」
Bさん「そうそう。
数年前についに解明されたポアンカレ予想とか、
あとはP≠NP予想とかホッジ予想とか・・・」
Aさん「ポアンカレは聞いたことあるけどあとは知らないな・・・」
Bさん「でももうひとつ、これはきっと阿部さんも聞いたことがあるやつがあるよ。」
Aさん「えっそうなの?」
Bさん「『リーマン予想』。
聞いたことあるでしょ?」
Aさん「あぁ・・・確かに、名前は聞いたことある。
どう言う定理なのかはぜんぜん分からないけど・・・。」
Bさん「21世紀初頭にアメリカで
サブプライム住宅ローン危機を端緒とする
世界金融危機の発生を予想した定理だよ。」
Aさん「それはもう予想じゃなく予言だろ。」
ゼータ関数がナントカと言うやつ。
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