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【揺花草子。】(日刊版:2017年)  作者: 篠木雪平
2017年2月
40/365

【揺花草子。】<その1840:介錯する。>

 【揺花草子。】<その1840:介錯する。>


 Bさん「苛烈な内容で知られる新選組の局中法度。」

 Aさん「ああ、うん、ありますね。」

 Cさん「例を挙げられるかしら?」

 Aさん「えーっと・・・

     脱走しようとしたら切腹とか、士道に恥じる行為をしたら切腹とか・・・」

 Bさん「そうそう。

     あとはマヨを馬鹿にしたら切腹とかね。」

 Aさん「それは違う局中法度だろ。

     前髪V字の人だろ。」

 Bさん「前身である壬生浪士組の局長・新見さんを体よく葬るために

     土方さんと山南さんが考えたんだよね。」

 Aさん「うん、それは大河ドラマの話だよね?」

 Bさん「実際にはもっと難しい言葉が使われていて、

     例えば阿部さんが言った士道不覚悟云々は『士道ニ背キ間敷事』と記されています。」

 Aさん「ふむ・・・。」

 Bさん「ところで、芹沢一派を粛清して近藤・土方・山南体制で

     磐石の布陣で成長を続けた新選組だけれども、

     隊が大きくなるにつれあちこち軋みが現れ始めたよね。」

 Aさん「まぁ・・・組織と言うものはおおよそそんなものかも知れないね・・・。」

 Cさん「組織に所属することに馴染めない協調性のない阿部さんが

     どの口でって感じだけど。」

 Aさん「随分な言いようじゃないですか!!」

 Bさん「特にあの池田屋事件で京に勇名を轟かせたあと、江戸方面で隊士募集をかけて、

     その結果新選組は隊士200人を超える大所帯になった。

     屯所が移ったのもこの頃だね。」

 Aさん「あぁ、うん。西本願寺だ。」

 Cさん「そしてこのタイミングで入隊したのがあの伊東甲子太郎よ。」

 Aさん「おぉ。伊東先生。」

 Bさん「参謀と言う破格の待遇で新選組に迎えられた伊東先生。

     総長と言う役職だった山南さんはこれをきっかけに隊内でのポジションを失っていき、

     ついには脱走を企てる。

     そして沖田さんに連れ戻され、先の脱走を禁じる法度に背いたかど

     お腹を召すことになるわけだけど・・・。」

 Aさん「うーん・・・。悲しい話だね・・・。」

 Bさん「けれど、伊東先生は伊東先生でやっぱり近藤さんたちとは

     目指すところや理想が違ってた。

     大きくなりすぎた新選組は言ってみれば自重で割れてしまった。

     新選組と袂を分かった伊東先生は

     生え抜きの藤堂たちを連れて御陵衛士を結成するよね。」

 Aさん「そうだったね。」

 Cさん「そしてあの油小路事件へと繋がっていくわけね。」

 Aさん「うーん。あれも悲しい事件でしたね。」

 Bさん「ま、そんなこんなで終盤には局中法度ももうなんなら

     絵に描いた餅みたくなってしまってたわけだけど、

     ある程度は隊の統制を維持するために役立ったのは間違いないと評価して良いでしょう。」

 Aさん「まぁ・・・。」

 Bさん「でさ、さっき、局中法度の一例として士道不覚悟だとか脱走を禁ずとかを挙げたけど、

     他にも、『勝手に金策をしちゃならん』と言うのもありました。」

 Aさん「はぁ。」

 Bさん「これで困った隊士も結構いたんじゃないかと思うよ。」

 Aさん「うーん、どうだろうね。

     隊士がどれだけの棒給を得ていたかはちょっと分からないしね・・・。」

 Cさん「特に新参者の伊東先生なんかは苦しかったと思うわよ。」

 Aさん「そうですかね? 大幹部級ですけど?」

 Bさん「そう言うことじゃなくて。」

 Aさん「え?」


 Bさん「『お前伊東甲子太郎に

      カネ貸したろう』

     みたいなね・・・。」

 Aさん「そのダジャレは

     士道不覚悟で切腹ものだと思うけど。」


 軍議ではないか。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/02/09.html


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