【揺花草子。】<その2141:こっそりやる。>
【揺花草子。】<その2141:こっそりやる。>
Bさん「おサイフの中にやけに錆びた10円玉が入っててさ。」
Aさん「あぁ・・・そうなの?
まあでもたまにあるよね。」
Bさん「でもさ、ぼくって普段の買い物はもうほとんど全部電子マネーなのね。
現金を使う機会ってほとんどなくってさ。」
Aさん「あぁ・・・まあ、確かにぼくも最近は現金を使う機会はだいぶ減った気がするなぁ。」
Cさん「阿部さんは諭吉先生なんて都市伝説だと思ってる畑よね。」
Aさん「そんなことありませんけど!!?
財布の中にはいつでも多少の諭吉先生が眠ってますけど!!?」
Cさん「あれでしょ、泥がついた一万円札でしょ。
親御さんの指についてた泥でしょ。」
Aさん「どこの国からですか!!!!!
良く知ってますねそんなの!!!」
Bさん「ま、ともかく、いつかどこかで買い物をしたときに
おサイフに紛れ込んでしまったサビだらけの10円玉。
なんとかしたいと思ったわけ。」
Aさん「いや・・・そう思うなら自販機ででも使えばいいじゃんか・・・。」
Bさん「そう言うけど、10円玉は1枚しかないんだよ。
近頃の自販機では缶コーヒーも買えないよ。」
Aさん「いや、でも自販機に10円を投入して釣り銭レバー引けば
入れたのとは違う10円が返ってくるんじゃない?」
Bさん「おっ・・・」
Aさん「あ・あれ?」
Cさん「阿部さん・・・ぶった切ってくれちゃったわね・・・。」
Aさん「えっ? えっ?
あっ・・・これは言っちゃいけないやつでした?」
Bさん「そこには気付かなかった体で続けるけど・・・」
Aさん「続けるんだ・・・」
Bさん「あのね、10円玉のサビを落とすのによくレモン汁が効果があるって言うじゃない。」
Aさん「あっあぁ・・・、うん、聞いたことある。酢とかもいいんだよね。」
Cさん「いちばん良く効くのはトイレ用の酸性洗剤らしいけどね。」
Aさん「あー。確かに効きそうです。」
Bさん「もうそこら辺にトライすることも辞さずと言うぐらいの気持ちなんだよね。」
Aさん「えっ・・・そうなの? そんなにイヤなんだ?」
Bさん「イヤだよう〜!
そりゃお金は天下の回りものかも知れないし、
古いものが経年で汚れを溜めていくのはむしろ味でしょうと言う考えも解るけど、
それでもやっぱりちょっと気になるの!」
Aさん「は・はぁ・・・。」
Cさん「そう言っておかないと話が進まないからね。」
Aさん「打算的!!!」
Bさん「とにかくそんなわけで、10円玉のサビ落としに挑戦しようと思ってる。」
Aさん「はぁ・・・。」
Bさん「いわゆる資金洗浄ってやつだよね。」
Aさん「違うけどね!!???」
それは違う汚れ。
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