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【揺花草子。】(日刊版:2017年)  作者: 篠木雪平
2017年10月
291/365

【揺花草子。】<その2091:レベル20。>

 【揺花草子。】<その2091:レベル20。>


 Bさん「『トロイの木馬』ってあるじゃない。」

 Aさん「あぁ・・・あのマルウェアの一種の・・・」

 Bさん「あ、そっちじゃなくて。」

 Aさん「そっちじゃなく。」

 Cさん「そう言う歩くたびに阿部さんが周辺にまき散らすものじゃなくて。」

 Aさん「なんでぼくがトロイの木馬をまき散らしてるんですかね!?」

 Bさん「語源は知ってる?」

 Aさん「えーっと・・・ギリシア神話的なアレじゃなかったっけ?

     確かトロヤ戦争の・・・。」

 Bさん「そうそう。『トロイア戦争』とも言うけどね。」

 Cさん「現代の小アジアに存在したとされる都市トロイアに対して

     ギリシア軍が仕掛けた戦争ね。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「戦争は膠着状態に陥ったんだけど、状況打開のためにギリシア軍が考えたのが

     例の『トロイの木馬』と言う作戦。

     でっかい木製の馬の像を作って、その中に兵士を潜ませる。

     で、ギリシア軍が撤退したと見せかけて、その木馬だけを野営地に残しておく。

     戦いに勝ったと喜んだトロイア軍は戦利品としてその馬を

     市内に引き入れどんちゃん騒ぎ。

     そこで満を持して木馬からギリシア軍兵士たちが登場して内部から切り崩すと。」

 Aさん「うーん。えげつない。」

 Bさん「でもさ、そんないかにも怪しい木馬をホイホイ引き入れることに対して

     いやそれはダメだよって言った人もトロイア側にはちゃんといたんだよ。」

 Aさん「ふむ。危機意識しっかりしてる系だね。」

 Cさん「ラオコーンって言う名前の神官なんだけど、知ってる?」

 Aさん「うーん・・・聞いたことあるような・・・。」

 Bさん「ギリシア彫刻の主題にもなってるんだよ。

     2人の子供を連れて逃げるラオコーンを

     女神アテナが放った海蛇が絞め殺すと言う場面。

     ほら画像検索すればすぐ見つかるよ。」

 Aさん「・・・あぁ、これね。うん、観たことある。

     って言うか女神アテナ恐くね・・・?」

 Cさん「トロイア戦争では神々もギリシア側につくかトロイア側につくか分かれたのよ。

     ゼウスの奥さんのヘラとかアテナ、ポセイドンはギリシア方、

     アポロン、アルテミス、アレス、アフロディーテがトロイア方に味方したんですって。」

 Bさん「そう言う意味では A で始まる阿部さんはトロイア方だね。」

 Aさん「えっそう言う分け方だったの?」

 Cさん「それと小早川は最初西軍についていたけどあっと言う間に東軍に寝返ったわよ。」

 Aさん「なんで関ヶ原の話になってるんですかね・・・。」

 Bさん「ま、ともかく、この有名なラオコーン像。

     今はバチカン美術館に所蔵されていると言うよ。」

 Aさん「ほほう。」

 Bさん「でさ、まあギリシア彫刻ってだいたいどれもそうだけど、

     基本まっぱじゃないですか。」

 Aさん「まっぱって言うんじゃないよ。肉体の美を追求してるやつだろ。」

 Bさん「で、このラオコーン像もご多分に漏れず、

     非常に筋骨隆々の実に逞しい身体をしております。」

 Aさん「うん、そうだねぇ。」

 Cさん「端的に言って神官の身体じゃないわね。」

 Aさん「いや・・・それはまあ・・・」


 Bさん「きっとラオコーンさん元々は武闘家で

     神官にクラスチェンジしたんじゃないかと思うんだ。」

 Aさん「なにその RPG 的な発想。」


 上級職へのクラスチェンジも近い。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/10/18.html


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