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【揺花草子。】(日刊版:2017年)  作者: 篠木雪平
2017年9月
245/365

【揺花草子。】<その2045:おなかが空いています。>

 【揺花草子。】<その2045:おなかが空いています。>


 Bさん「随分長いこと雨が続いてるじゃないですか。」

 Aさん「うーん、そうだねぇ。」

 Cさん「当局の皆さんは梅雨明け宣言出すの早かったかなと

     後悔してるんじゃないかと思うわ。」

 Aさん「まあ確かに・・・。」

 Bさん「かと言って8月も終わりぐらいの時期に

     『梅雨が明けました!』とか言ったとしても

     『いやいやもうややもすると秋ですし。』とかってなりそうだよね。」

 Aさん「確かにね・・・。」

 Bさん「でね、そんな雨続きのさなかのある日、

     ちょっと暑いぐらい天気のいい日がありまして。」

 Aさん「ああ、うん。あった。」

 Bさん「久しぶりに洗濯物も外に干せる!とウキウキ気分だったんです。」

 Aさん「そ・そうなんだ。」

 Cさん「あれかしら阿部さんは洗い立てのブリジットのおパンツとかが

     風にそよいでる様を想像しちゃってるのかしら?」

 Aさん「しししししてないですけど!!? 何言ってくれてるんです!!?」

 Bさん「まあ当然下着の類は部屋干しですがね。」

 Aさん「い・いや・・・まあそれはそうだろうさ・・・。」

 Bさん「とにかく、束の間の晴れ間となったある日。

     ぼくはちょっくら近所のショッピングセンターに買い物に出たわけですよ。」

 Aさん「はぁ。」

 Bさん「前日までのぬれた路面もすっかり乾燥してて。」

 Aさん「うん。」

 Bさん「で、歩きながら不意に道路の端に目をやれば、

     雨を流す用の少し低くなってる溝の底に、何やらピンク色の粒々がびしーっと

     広がってるわけですよ。」

 Aさん「ピンク色の粒々?」

 Bさん「まあ乾いて白くなっちゃったからピンクっぽく見えるだけで、

     もとはもう少し赤かったのかも知れないけど。

     でもいったいこの粒々は何だろうと思ってさ。」

 Aさん「えー・・・砂とか土とかじゃないの?

     それが乾燥して白くなっちゃったんじゃないの?」

 Bさん「ぼくも最初はそう思ったの。

     でもそのあたりって近くに土がむき出しのところって別にないし、

     土をたくさんつけたようなトラックやなんやらが行き交うような場所でもないのね。

     そう言う意味ではちょっと土だと判断するのは無理筋かなと思って。」

 Aさん「うーん。」

 Bさん「でさ、ぼく、これはもしかしてと思って。」

 Aさん「もしかして?」


 Bさん「とびこ(とびっこ)なんじゃないかなと。」

 Aさん「その判断も無理筋だろ。」


 プチプチが心地いいやつ。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/09/02.html


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