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【揺花草子。】(日刊版:2017年)  作者: 篠木雪平
2017年8月
238/365

【揺花草子。】<その2038:論破する。>

 【揺花草子。】<その2038:論破する。>


 Bさん「今日は都市伝説の話をします。」

 Aさん「都市伝説ですか。」

 Bさん「ホラぼく本質的には都市伝説ハンターだしね。」

 Aさん「どこの佐天さんだよ。

     7年目にして初めて聞いたよそんな設定。」

 Cさん「そりゃもちろんそうよ。

     何年連れ添っても男にとって女は常に彼岸の存在よ。

     ブリジットにだってたくさんの秘密があるわよ。」

 Aさん「えぇー・・・。」

 Cさん「例えばブリジットの初めての恋のお相手の話とかね。」

 Bさん「ちょっ!!!!!////」

 Aさん「(・・・!!!////)」

 Cさん「うふふ。

     そのなんとも言えない微妙な表情の阿部さんが見たかった。」

 Aさん「(ほんとタチ悪いこの人!!////)」

 Bさん「と・とにかく、都市伝説ですよ。////」

 Aさん「お・おう。」

 Bさん「あのね、妙齢の女性でピアスをつけている人っていっぱいいるでしょ。」

 Aさん「まあ、いますね。」

 Bさん「当然耳に何らかの器具で穴を開けるわけだけれども。」

 Cさん「友達同士でやったりとかもあるみたいだけれども、

     基本的にはお医者さんにやってもらった方が安全と言うわね。」

 Aさん「まあ、そうでしょうねぇ。」

 Bさん「でさ、このピアスの穴開けにまつわる都市伝説でさ、

     なんか開けた穴から白い糸みたいなのが出て来て、

     なんだこれって思いながら引っ張ったら実はそれは視神経で、

     それが切れて失明しちゃった・・・なんて話。」

 Aさん「あぁー。それ聞いたことある。」

 Cさん「よくよく考えれば、って言うかそんな深く考えるまでもなくおかしな話よね。

     穴からぷらーんて糸が出てる時点でもう反対側が切れてるわけだから

     ホントに失明するならその時点で失明してなきゃおかしいわ。」

 Aさん「それは、確かにそうですね。」

 Bさん「第一視神経が耳たぶを経由するってこと自体不整合だし、ありえないよ。

     目から脳に直接至る経路の方が遥かに短いわけで、

     耳を経由する合理的な理由なんて何一つないよ。

     そんなの全然システマチックじゃないもん。」

 Aさん「いやそれはそうだけどさ。

     そう言うのが実は思い込みで・・・みたいなのが

     都市伝説のキモなわけでさ・・・」


 Bさん「だって耳に視神経が通ってたら

     平家の怨霊に耳を持ってかれた芳一さんは

     目が見えなくなるはずじゃん。」

 Aさん「芳一さんは最初から盲目だったよ。」


 天才琵琶リスト。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/08/26.html


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