【揺花草子。】<その1822:Eleanor Rigby。>
【揺花草子。】<その1822:Eleanor Rigby。>
Bさん「敵の油断を衝くのは兵法の基本じゃないですか。」
Aさん「え? うん・・・まあ、そうだね。」
Cさん「慢心ダメ絶対。」
Aさん「どこの赤城さんですか。」
Bさん「人が油断しているところを背後からドカンと。
歴史を振り返るまでもなく、そのような事例は数多く存在します。」
Aさん「まあ、そうだねぇ。
桶狭間の戦いとかもそうだったよね。」
Cさん「歴史を振り返るまでもなくって言ってるのに
わざわざそう言う事例を挙げてくるあたり
阿部さんの知識ひけらかしたがりっぷりは本当に眉をひそめるレベルね。」
Aさん「ちょっ!! なんでそんな言い方するんです!!?」
Bさん「ここ最近もしばしばそんな風に人々の油断を衝かれる事態が頻発しているよ。」
Aさん「うーん・・・そう? 例えばどんな?」
Bさん「あのね、週末のたびにたいへん寒い。」
Aさん「えっ・・・なにそれ?」
Cさん「つまり週末と言う、阿部さん以外の働く人々が一息ついて心を休めるタイミングを
狙い済ましたかのように冬将軍の苛烈な進軍が人々を苦しめるってことよ。」
Aさん「ぼく以外の働く人々ってなんですかね?
いや・・・でもまあ、確かにここ最近は週末のたびに雪が降ってる気がしますね。」
Bさん「だよね。
路面の μ が低くてバランスを崩して地面に臀部をしこたま打ちつけたりするよね。」
Aさん「なにそれ受験生を慮る婉曲表現?」
Bさん「ぼくらの街は冬の間に4,5回はセカイが真っ白になるレベルで雪が積もったりするし、
路面だってしょっちゅう凍結しますね。」
Aさん「うん、そうだねぇ。なんだかんだ言ってやっぱり雪国だよね。」
Bさん「でさ、雪が降ったり路面が凍結したりすると、
歩道や車道など通りの多い場所には融雪剤が撒かれることがあるじゃないですか。」
Aさん「うん、確かに。」
Cさん「あれは塩化カルシウムとかの成分だそうよ。」
Aさん「塩化カルシウム。」
Bさん「ほら塩はさ、水が凍る温度を下げることのできる能力者じゃない。」
Aさん「なにその能力系バトルアクションみたいな言い方・・・。」
Cさん「その能力によってつまり雪が融ける温度も下がる。
塩分によって外気温よりも雪の解ける気温が下がれば
当然雪は溶け出すと言う仕組みね。
だからあんまりにも寒すぎて融点低下でも追いつかないくらい寒ければ
融雪剤は効果がないんですって。」
Bさん「塩の凝固点低下能力を上回る圧倒的な能力と言うわけだね。」
Aさん「また能力系バトルアクション的表現。」
Bさん「でね、その融雪剤って、白い粒粒の様態をしてるじゃないですか。」
Aさん「うん、確かにそうだ。
雪が融けた後にまだ形がある白い粒が残ってたりするもんね。」
Bさん「あの光景は、きっと融雪剤なんて普段見ることもない南の地域の人たちには
なかなかに驚きのビジュアルだと思うんだ。
『うおっなにこの米粒!?』って思うんじゃないかと思うんだ。」
Aさん「うーん・・・まあ、そうかも知れないねぇ。
米粒に見えるっちゃあ、見えるかも・・・。」
Bさん「『こんな寒い中で結婚式とかやったのか!?』って
思うんじゃないかと思うんだ。」
Aさん「ライスシャワー!!???」
子孫繁栄を願う。
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