【揺花草子。】<その2019:分相応。>
【揺花草子。】<その2019:分相応。>
Bさん「ザ・タナバッティング・ナイトじゃないですか。」
Aさん「七夕な。しかも1か月も前な。」
Bさん「なに言ってんの? バカじゃないの? なんで生きてんの?」
Aさん「おォッ!! 想像以上の罵詈雑言!! なんだよ!?」
Bさん「・・・。」
Aさん「・・・。」
Cさん「何年かぶりに言い切れたって言う充足感が滲んでいるわね。」
Aさん「いつカットイン食らわされるか冷や汗ものでしたけどね。」
Bさん「ま、ともかく、毎年こんな感じで始まる七夕ウィーク。」
Aさん「ウィークになっちゃったよ。」
Bさん「今日は心の奥に密かに隠した深く熱く強い願いを祈っても良い日と言う
位置付けですよね。」
Aさん「そう言う位置付けだっけ?」
Cさん「今日ならほむほむの願いも叶うわね。」
Aさん「どっちの!? TVシリーズの!? 劇場版の!!?」
Bさん「とは言え、正直ぼくはこの七夕の願い事には懐疑的だよ。」
Aさん「えっ・・・そうなの? 今さら?」
Bさん「だってさ阿部さん、考えてもみてよ。
織姫と彦星って言うのはさ、夫婦になって一緒に住み始めた途端に
ひねもす夜もすがらイチャイチャしまくって仲人を務めた神様から
『お前らちゃんと働け』って言われて別居を余儀なくされた2人じゃん。」
Aさん「いや仲人を務めたわけじゃないと思うけど。
あと別居って言うスケールでもないけど。」
Bさん「でもつまり、愛に耽溺して自らの職務をおざなりにしたと言う事じゃないですか。
こんな連中に人の願いが叶えられるとは思えないよ。
逆に言うとこんな連中に深く熱く強い願いを掛けたいとはぼくは思わない。」
Aさん「お・おぉ・・・なかなか辛辣な意見だね・・・。」
Cさん「それに、彼らの本職は機織りであり牛飼いよね。
人の願いを叶えるのはやっぱり専門外と言わざるを得ないわ。」
Aさん「うーん・・・それは、そうかも知れません・・・。」
Bさん「だからぼくは、七夕に願うべきことはきちんと考えなければならないと思う。
織姫や彦星の手に余るような願い事をしてはいけないよ。」
Aさん「うーん・・・そうなのかなぁ・・・?
じゃあきみはどんな願いをすればいいと思うわけ?」
Bさん「西陣織の反物と
A5ランクの松阪牛ステーキが欲しい。」
Aさん「それは京都と三重に行って言えよ。」
肉牛ではないのでは。
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