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【揺花草子。】(日刊版:2017年)  作者: 篠木雪平
2017年6月
169/365

【揺花草子。】<その1969:懐かしむ。>

 【揺花草子。】<その1969:懐かしむ。>


 Bさん「昨日に続いて懐ゲーの話題ですよ。」

 Aさん「はぁ・・・そうですか。」

 Cさん「『ぼくのなつやすみ』シリーズとかね。」

 Aさん「確かに懐かしいし夏のゲームですけれども!!」

 Bさん「でもぼくは未プレイなのでその話題はやめておきます。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Bさん「あのね、昨日のチャトランガはちょっと古すぎたね。」

 Aさん「古すぎたね。

     古すぎて逆に新鮮に感じるレベルだったからね。」

 Bさん「今日はほんとに懐かしいやつを取り上げます。

     ズバリ初期ファミコン。」

 Aさん「いやきみの年代で初期ファミコンを懐かしむ感性はおかしいよ?

     きみらはもっとこうゲームボーイアドバンスとかを懐かしむべきだよ?」

 Bさん「そうかな?

     だっていわゆる懐古主義ってのは

     大正ロマンとか昭和ノスタルジーをありがたがるじゃない?

     当人が生まれたよりもずっと昔の時代なのに『懐かしい』と捉える感性は

     決して不自然ではないと言えるよ。」

 Aさん「うーん、まぁ、それはそうだけど・・・。」

 Cさん「想像するに、その辺はなんと言うか共通認識としての『懐かしいもの』

     って言う感じなんだと思うのよね。

     最近の若者が昭和30年代の風景が描かれる『トトロ』とかを観ても

     郷愁の念を覚えられるのはそう言う共通認識があるからだと思うの。

     そう言うのがあるからきっと歴史ものと言うか時代もののコンテンツが

     今なお幅広く受け容れられているんだわ。」

 Aさん「あぁ、まあ、そう言うのはあるかも知れません。」

 Bさん「そんなわけで、今日は大部分の日本人の少年少女にとっての

     心のふるさととなるファミコンを取り上げるわけだけど。」

 Aさん「前説だけでずいぶん尺取ったな。」

 Bさん「阿部さんがうだうだ言うからでしょこの唐変木。」

 Aさん「口悪いよ!? 気を付けて!!?」

 Bさん「あのね、さっきも言いましたが

     初期ファミコンは多くの子供たちにとって想い出の一角を担う

     時代を代表する大ヒット商品でしたよね。」

 Aさん「まあ、それは、そうだろうねぇ。」

 Cさん「1983年のリリース以来、日本だけでおよそ2,000万台、

     全世界では6,000万台以上も売れたらしいわよ。

     老若男女問わず日本人の6人に1人が持ってたって計算になるわね。」

 Aさん「それは・・・すごいですね・・・!」

 Bさん「でさ、最初期のファミコンは、コントローラーのボタンが

     丸じゃなくて四角だったって知ってた?」

 Aさん「ああ、そうらしいね。さすがに現物は見たことないけど。」

 Cさん「リリースから半年程度の間に生産したモデルだけが四角ボタンだったみたいよ。

     素材も後期型がプラスチック製なのに対し、

     この最初期のモデルはシリコン製だったんですって。」

 Aさん「あぁー、そうだったんですか。

     なんか連射がしづらいとかボタンが押し込んだまま戻って来なくなるとか

     そう言う不具合が出たため丸型に変えられたって話は聞いたことがあります。」

 Bさん「結果的に大成功となる設計変更だったと思うけど。」

 Aさん「そうだねぇ。」

 Bさん「でね、こんだけ人々の心に深く根付いてきたファミコンですから、

     過去を懐かしむ層にとっては今なおその輝きが薄れることはない。

     具体的に言うといろんな分野で『ファミコンのコントローラーを模したもの』が

     発売されたりする。」

 Cさん「スマホケースとかスマホ用バッテリーとかUSBハブとか

     そう言うちょっとしたデジタル小物でよく見るわね。」

 Aさん「あぁ、確かに。ありますねぇ。

     『本職』であるゲームパッドの分野でも

     ファミコンコントローラー風のやつとかありますもんね。」


 Bさん「でもこう言うやつで

     ボタンが四角のやつは

     ついぞ見かけたことがない。」

 Aさん「それは共通認識のキャズムを

     超えてないってことじゃない!!?」


 丸ボタンの方が印象に残ってますしね。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2017/06/18.html


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